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輝く断片 (河出文庫)

価格: ¥918
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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凄い短編集だけど… ★★★★★
名作『死ね、名演奏家死ね!』が『マエストロを殺せ』などという死ぬほど
ありきたりなタイトルになっちゃった〜(>_<)だめじゃん!これじゃ何の想
像力もかき立てられないじゃん〜大失敗だと思う。で、まあ、内容が変わっ
たわけじゃないので…などと思うと、ここでもトホホ…
昔版では主人公=『おれ』だったのが、なんとこの本では『おいら』になっち
ゃってる!今どき『おいら』なんていう奴いるか?これじゃ70年代フォークの
世界…この小説の魅力は一人称のスレたようなクールな語り口なんだけど
『おいら』ですべて台無し。主人公が吉田拓郎になっちゃた(笑)

あとスタージョンの小説って差別用語を使わなければニュアンスが出ないよう
なものがかなり多い。そういうテーマを扱ってるから宿命みたいなもんだけど、
昔はよくても今じゃ無理なものも多い。でもそれじゃ肌触りが出ないんだよね。
本質は差別と対局にあるのがスタージョンの小説なのにね。
独特の雰囲気を持つ“奇想”ミステリー短編集 ★★☆☆☆
アメリカのSF・幻想小説家として知られる著者の、1941年から1957年にかけて書かれた、ミステリー色の濃い8つの作品を選んで集めた短編集。20世紀中ごろに主に短編で活躍した作家だが、最近日本では再発見されて邦訳短編集が続々とリリースされているらしい。

本書は、’05年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門では第3位に、「このミステリーがすごい!」海外編では第4位にランクインしている。

雨の路上で拾った瀕死の少女を自宅へ連れ帰り、18年間無欠勤だった仕事を休んで必死に介抱する孤独な男の物語(「輝く断片」)をはじめ、異色の音楽ミステリー(「マエストロを殺せ」)、先駆的なサイコサスペンス(「君微笑めば」)、さらにニュースを毎日欠かさずチェックする平凡なサラリーマンが妻によって新聞もテレビ、ラジオも奪われた結果、狂気に走る(「ニュースの時間です」)、無垢な男がふとした拍子に犯罪へと奔走していく(「ルウェリンの犯罪」)など、収録されている作品はいずれも、まっとうな意味でのミステリーではなく、特異な発想に基づく異色・奇想小説の雰囲気を持つものばかりである。

短編なのでストーリーの背景や設定・登場人物の人となりの説明などが簡略化されていることと、どの物語もシチュエーションや進行、および結末が独特の奇妙な空気をはらんで急展開するので、私には理解するのがいささか難しく、煙に巻かれたようだった。

ともあれ収録作のいくつかには、社会から阻害されていて、普段はひっそりと目立たない主人公たちが、何かをきっかけに反社会的な方向に暴走してしまう危うい存在として登場する。そんな彼らの戸惑いや怒り、悲哀をスタージョン流の独特な語り口で切実に描いているように感じた。
常識を疑え ★★★★☆
 「取替え子」の超自然的存在が、一番ユニークなキャラクターだった。唯一クスクスと笑える作品。
 「輝く断片」「マエストロを殺せ」「ニュースの時間です」の三編はグッと完成度が高い。いずれも美しく、悲しく、残酷なサイコサスペンスである。
 「あたりまえさ」「常識」を疑わない人や社会に、鮮やかな一撃をくらわせる作品群である。「ミドリザルとの情事」や「君微笑めば」に出て来るような典型的な自信家アメリカ男性は、スタージョンの大嫌いな一典型だったのだろうか。
読むのがつらい作品 ★☆☆☆☆
2006年版 このミス4位
2005年 文春ミステリーベスト10 3位

おそらく意図的にそうしているのであろうが、本当に論理的にあった展開なのかも定かでないような箇所が数カ所有り、ストーリーの展開が私にとって難解で、読むのがつらい作品だった。
社会的に目立たない、あるいは虐げられた登場人物達が、何かをきっかけに犯罪行為に走るというミステリー仕立ての作品集で、独特の世界を構築しているものの、正直言って、全く面白くなかった。
誰もが「輝く断片」を願っている ★★★★★
前回配本の『不思議のひと触れ』同様、SF色の薄い作品を中心に編まれたシオドア・スタージョンの短編集です。私のような非SF読みからするととっつきやすいセレクションです。
残念ながら前半の4作と後半の4作にクオリティの差があるように感じられるため、全体の出来という点からは満点はつけられないところですが、それを補って余りあるのが表題作のすばらしさです。
そこで一人の中年男の姿を通して描かれるのは、人間の孤独と心の奥底にだれもが秘めている狂おしいまでの願いです。男の哀切な想いに激しく心を揺さぶられ、涙するのは私だけではないはずです。