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ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: 光文社
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刺激的、おもしろかった ★★★★★
 宇宙飛行士選抜試験題材にしたNHKスペシャル「宇宙飛行士はこうして生まれた 〜密着・最終選抜試験〜」(2008年3月放送)を、新書化したもの。私は、TV放送をみたときも「すごい試験だなあ」と思いましたが、今回、新書で改めて読んでみて、いっそう感心・感動しました。TV放送をみた人も、ぜひ本書を読まれるといいと思います。
 今年読んだ新書の中でも、もっともおもしろくためになった本かもしれません。

(a) 健康や知識の試験だけでなく、1週間の密閉空間での集団生活中の行動・能力を観察する試験、NASAでの技能・面接試験など、多面的かつ究極に深い試験(試練)には、素直に驚いてしまう。
(b) 自分のキャリアを捨ててでもひたむきに宇宙を目指す気持ちや、「リーダーシップとフォロワーシップの関係」や、「折れない心」など、宇宙飛行士と関係のない普通のひとにとっても、参考になる部分がある。
(c) 候補者一人ひとりの人柄や経歴が描かれ「さまざまな分野のほんとうに優秀な人たちが集っているんだなあ」と感心する。そして読み進めるうちに、全員を合格させたいと思うほどこちらも感情移入してしまう。どの人も、個性的で優秀で、しかも人生への向き合い方がかっこいい。
 
 今回の試験は、技術者タイプよりは、船長(リーダー)を担える人材を採用するとの意図があったと書かれていますが、本当にそれを感じさせる優秀な人たちだと思いました。こういう人たちがいる限り、日本もまだまだ捨てたものでないと思います。
 私も、少しでも彼らに近づけるよう、能力向上を図り、人生を前向きに生きたいと思いました。
 魅力的な本です。お勧めします。
まさに、究極! ★★★★★
すでに、社会で一定以上の地位や実績のある方々が、それを捨てて宇宙飛行士という職業に”転職”する気持ちが痛いくらいに伝わってきますね。
その情熱には頭が下がります。
10人の最終候補者には、敬意を表します。
また、応募した900人余の皆さんにも。

今回の選抜試験は、技術者だけでなく、宇宙ステーションの船長も目指すという目標があったので、ことさら厳しかったのではないかと思います。
国際的に通用する人材を選抜するのが、こんなに厳しいとは…。
極限の状況下でも折れない心を持った人物を選ぶのですから、このくらいはするんでしょうかね。

ムカシ、リクルートの江副さんが”10億円稼げる人材を連れてくるのには10億円かけてもよい”と仰られていたそうですが、10億どころか、数千億円もの宇宙開発費を国民にたいして納得させてくれる人材を選ぶのだから、こうなりますか…。

下衆な話ですが、日本国のリーダーを選ぶシステムにこういったことが組み込まれていれば、1年持たずに投げ出す方々は出て来ないはずですが。
世界的に通用する人材ですから…。
"人間力"が試される状況を実況中継。第一次南極越冬隊・隊長の話も想起。 ★★★★★
宇宙飛行士として必要な"人間力"の試験の様子を実況中継していますね。各候補者達の横顔もよく描けていて とても面白く、1日で読了しました。
本書の内容に関するレビューは既に沢山ありますので、少し違った視点でレビューしてみます。本書で試されている"資質"は西堀栄三郎氏(第一次南極越冬隊隊長)が数々の著作(技士道、とにかく、やってみなはれ、石橋を叩けば渡れない)で強調されておられたことと通じるなぁ、と思ったわけです。(宇宙飛行も(第一次)南極越冬も「前例がない」ことに挑むことになりますから) 具体的には、

・若い頃の夢はいつか実現する:西堀氏は11歳の時「いつかチャンスがあったら南極へ行ってみたいなぁ」という気持ちを持っていたそうです。「こうした志というか、願いというか、夢というか、そういうものを持っていると、いつか実現の道が開けてきます。人間は生きていくうちに、必ず分かれ道に行き当たるものですが、その時、夢とか志があると、ついそっちの方を選び、チャンスをつかむことになるのです。」実際、西堀氏は53歳で南極に行くことになりました。
本書で登場する宇宙飛行士候補生も、そんな若い頃の夢を抱き続けてきたわけですね。

・リスクを減らすための"臨機応変"の心構え:リスクを最小限にするために色々と準備するのですが、その準備は不完全なものと常に感じることが大事なのだそうです。(準備が完全だと思っていると、予想外の状況に慌ててしまうわけです) 常にリスクを覚悟していると「ウン、予定のごとく出てきたなあ」という気持ちがあるので、慌てふためかず、心は安定するというわけです。このような臨機応変の処置が出来るという自信を作っておくことが大事だと説かれておられました。「悲観的に準備し、楽観的に行動する」とも言えましょうか。
本書で出てくる"抜き打ちテスト"は、このような状況をあえて起こして反応を見ているわけですね。

・創意工夫について:まず第一に「こんなことも出来ないのか!」と思わなくては駄目。「俺は創意工夫でやるんだ!」と思わなければいけない。第二に「絶対諦めたらいかん、何とかなる、何とかしてやるぞ」と思うことです。
本書でも、想定外の状況に対し諦めることなく創意工夫で状況を切り抜けようとする宇宙飛行士候補生の姿が描かれていますね。

他、本書の色々な場面で西堀氏の言葉を当てはめて楽しみました。そんな読み方もあるということで。(^-^)
コレを読んだら、JAXAの予算を仕分けなんかできなくなるぜ。 ★★★★☆

本書にあったフレーズ、
「宇宙飛行士は、人類代表」。
ちょっと大げさかなと思ったかが、
読み終わってみると、いや全くその通り。
頭脳明晰、体力抜群なんてのは当たり前で、
全人格的に優れていないと選ばれない
尋常じゃない狭き門。

しかし、その狭き門をくぐったとしても
宇宙飛行士にはなれるわけではない。
あくまでも、宇宙飛行士「予備軍」なのだ。
NASAに行って、そこから
また過酷な選抜が繰り広げられる。

本書は、JAXA内の選考に留まったが、
NASA内でのトレーニングもぜひ知りたい。
「宇宙飛行士選抜試験―NASA編―」
そんな続編をつくってほしい。

あと印象に残っていたのは、
フォロワーシップという言葉。
チームをぐいぐいと引っ張る
リーダーシップだけでは足りない。
フォロワーシップを発揮するメンバーが
リーダーを支えないとチームはうまく機能しない。
夫婦、会社、サッカー日本代表。
宇宙飛行だけでなく、
どんなプロジェクトにも必要な力だと思う。
フォロワーシップは、もっと注目されていい。
問われるのは「覚悟」である ★★★★★
恐ろしい本でした……。飛びぬけて素晴らしい経歴の持ち主が更に更に「この人を宇宙に送って大丈夫か」「本当にこの人で最適なのか」を問われるわけです。日本だと税金で宇宙飛行士を養成するから「失敗」が許されない。一度選ばれてしまったら何が何でも宇宙に行ってもらわなければならない状態。
久しぶりの「宇宙飛行士募集」の報に応じた千名近くから選び抜かれた最後の十名。
日本から「この人らでどうでしょう」とNASAに推薦する以上、経歴、人格、識見、熱意、それらは既に折り紙つき。
その上で更に問われるものは何なのか。
やっぱり凄まじい世界です。
日本での「試験」がものすごいです。何というか「極限状態」を演出するためあらゆる手立てで迫ってきます。こんなの耐えられないかもしれない。
宇宙飛行士、自分には無理です、なれません!
応募者ひとりひとりに焦点を当てた迫真のルポルタージュ。
この本の成立理由を拝見すると文章から立ち込める熱気がとても腑に落ちます。
でも宇宙は、やはりとても怖いです。未知の世界だし、生きてはいけない世界です。
人を生かしておくためにどれほどの知恵を結集させていることか。
ミール、ソユーズ、アポロ、ISS。スペースシャトルが往還し、はやぶさやIKAROSのような世界初の快挙を成し遂げた探査機が舞う「太陽系大航海時代」を迎えても、宇宙は過酷な場所であることに変わりはない。
それなのにこのような選抜を潜り抜け、更に「成果」を出すべく尽力される皆さんに敬意を持たずにいられません。
宇宙。
ある種の人は、どうしようもなく宇宙(そら)を目指してしまうように、あらかじめ定められているのかもしれません。星を求めずにはいられない。
77歳で宇宙に出たジョン・グレンを目指してこれからもずっと募集があれば応募し続けたい……そう語る「選ばれなかった人の決意」の清々しさにとても心を打たれました。

この本は「人は何によって心を動かされるのか」がとてもはっきり書かれています。
そういう意味では人の心という「深宇宙(ディープ・スペース)」へのダイビング見聞録かもしれません。
おすすめです。