植物はヒトを操る
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ベランダで自己流園芸に勤しむクリエーターのいとうせいこう氏と、世界的な花の育種家(ブリーダー)の竹下大学氏が、
不可思議な植物の世界をめぐって深淵で刺激的なサイエンス・トークを繰り広げる。
本書のタイトルは、人類は植物を利用して文明を発展させてきたが、
実は植物の方が種の繁栄のために人間を利用しているのではないかという発想によるもの。
動物との共進化に代表される植物の生存戦略、日本人の死生観と植物の関係性、
生殖から考えるオスの存在意義など多方面から植物にまつわるエピソードと可能性を語る壮大な対談集。
植物と人間の新しい関係が見えてくる、花とサイエンスの超入門書。
目次
第1章 植物の生命戦略
第2章 植物が日本人をつくる
第3章 この世にオスは必要か
第4章 植物は偉人を操る
第5章 権力と植物
第6章 花と共進化するヒト
あとがき対談 植物に試されるヒト
<担当編集者からのコメント>
人類の歴史も、私たちの生活も、植物がなくては存在しません。植物を貴重な資源として利用しながら、人間は文明を築いてきました。
ところが、世界的な花の育種家・竹下大学さんは、「人間と植物の関係は、逆のような気がする」と言います。
「人間のほうがむしろ、植物に利用されているのではないか」と……。
いったいどういうこと? そもそも植物ってどういう生き物なの?
本書では、『ボタニカルライフ』の作家いとうせいこうさんが、花のプロフェッショナルである竹下大学さんと、深遠で、刺激的なサイエンス・トークを繰り広げます。
ごく身近にありながら、異なる生命のシステムをつくり上げている植物に思いをはせれば、この世界は人間だけで成立しているのではないという、当たり前で、驚くべき真実が見えてきます。
この本は、専門知識がなくても楽しめる、人と自然を考えるための、超入門書なのです。
読み終えた後、花屋さんの店先が、枯れたポッドの並ぶベランダが、この世界で起きている出来事が、まったく違うものに見えてくるでしょう!