意外に軽快なアクション作品
★★★★☆
ジャケット見て「善悪に苦悩する重ためなハードボイルド・バイオレンス」みたいなのを想像してました。
実はけっこう軽めなノリの映画ですね。
まず主人公達は使命を背負った「正義の味方」気取りで、「悪」の基準みたいなのをしっかり持ってる割には、「具体的に誰?」ってとこが自分でもわかってない。
なおかつ独善的な正義の味方を楽しんでる部分もあります。
内容も「菊次郎の夏」みたいにまず、結果を見せてからその過程と言うながれが良いですね。
そして、ここまで壊れたウィレム・デフォーを初めて見ました。
途中からドリフのいかりや長介に見えてくる程、自分の彼のイメージを壊してくれました。
いい意味で深すぎるテーマ性も感じられずにサクサク見れる映画です。
善悪は紙一重
★★★★★
これほどバイオレンス描写と神々しさが共存する映画を見たのは
「ゴットファーザー」以来と言っても過言ではないでしょう!!!。
主人公兄弟を追う刑事の変貌
法廷での最終決戦
エンドロールの街頭インタビューは
「善悪は紙一重」であることを示す最も偉大で恐ろしい見本と言っても
過言ではないと思います。
演出が斬新
★★★★☆
処刑人=世直人って感じでしょうか。
随所に聖書からの引用があったりと作品の深みを増しています。
斬新な演出法が非常に面白いです。事件現場から残像思念のように犯行シーンに...。
終盤は刑事と犯人が会するシャレっ気も。
そしてなんと言っても刑事役のデフォーが素晴らしい。
相変わらずの存在感で異彩を放ってます。
ホモや女装に挑戦し、全編に渡ってイッちゃっててこれも必見。
強まる思い入れ
★★★★☆
決して恵まれた環境ではないが、同じ職場に努め同じ部屋で暮らす兄弟は
深い強いきずなで結ばれ、仲間思いでもある。
じゃれあう姿に無邪気さを感じる反面、ひと度銃を握ると無駄のない動きと手際のよい仕事…
それは彼らからすると罰を下す、ターゲットには処刑であるすなわち殺し。
純粋で無邪気さも残る兄弟は、強い信仰に支えられた揺るぎない信念のもとに動いている。
兄弟の家に伝わる祈り、その特別な祈りをささげながら大掃除をしていく。
兄弟に恐れをなしたマフィアのボスが放った野獣のような殺し屋の登場存在が、ストーリーを思わぬ方向へ…
ウィレム・デフォーには触れずにおきたい、でもあれだけインパクトが強いとそうもいかない…
私なら手口はこうよ!的感覚が兄弟と近いのか見事な推理で兄弟に迫っていく。
そして近づいたのは距離だけではなく、心の中に秘めていたもの…
悪はこうして懲らしめる、抹殺するしかない、そんな思いが次第にリンクしていく。
見ているうちに思い入れが強くなりすぎる。そんな作品。
善悪の判断を常に迷うことなく、正しく判断できるのか?
最大の窮地において法の厳守だけで大切な家族や友人を守れるのか?
最後の最後に3人の男が語り合う、いつまで続くのか…続けるのか…心の声。
これが最良と信じているだけで、人殺しが好きなわけではない。
善人は悪人ではない、悪人は善人ではない、どちらも成り立たない事もあるのだ。
爽快!
★★★★★
とにかくカッコ良いです。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ラストの裁判所のシークエンスは何回観ても秀逸です。
女っ気が全く無い映画ですが、ホ〇っぽいというわけではなく(デフォーは〇モだけど)、登場人物達に、"男が惚れる"格好良さがあります。この辺りの空気はガイ・リッチーの『ロック、ストック〜』に似てます。
主役二人も格好良さが際立っていますが、やはりデフォーの怪演(快演?)があってこそだと思います。
映画好きの方に是非オススメしたい一本です。