PC版をプレイ済みで、ノベライズが出ていると最近知ったので上、下巻共に購入してみました。

個人的な感想ですが、まとめきれていないような･･･？
上巻で広げた話を畳みきれなかった感があります。
作者様もあとがきで『オリジナル展開にしつつもゲーム本来の持ち味を生かす』と表記していますので、うまいことまとまってはいますが何だか腑に落ちないような･･･展開が早すぎたというのも一因でしょうか。
展開が早いのはノベライズ化するにあたって、ある意味仕方がないことかもしれません。

しかし、元々ボリュームが多い作品を2冊にまとめたというのは評価できると思います。内容も満足出来る物だったので、星4です。

―――以下蛇足
私は気にならなかったのですが、PS2版の新規キャラの出番が凄く少ないです。特に若菜様に至っては上、下巻合計して片手で数えられるほど。
この二名の活躍を期待している方は、考え直してみてください。
この点さえ気にならなければ、プレイ済みの方にも未プレイの方にもオススメ出来る二冊です。

要人護衛組織『アイギス』に所属する新人エージェント・如月修史が
対象の護衛の為、女装をし、山田妙子として女学院に潜入する、
といった上巻、下巻の二つに分けられた女装ものの恋愛アドベンチャーです。

今までこういった女装ものや男が女に入れ替わるといった
種類の作品はあまり触れた事がないので個人的に
新感覚な作品としてなかなか楽しめました。

表紙や冊子の中を見れば分かる通り、見た目はとても可愛いらしい女の子なんですが、
実際中身は男で女性に免疫が全く無いときてますから、当然周りにいる生徒との掛け合いや
風呂場、体育の着替えなどの環境に対してかなり戸惑ったり、焦ったりします。男の一度は
抱いてしまう妄想なんでしょうか。その容姿と言動とのギャップが堪りません。

今回の護衛対象であるツンデレお嬢様の春日崎雪乃、快活なスポーツ少女の椿原蓮の二人と、 ちょっと小悪魔的な新城鞠奈からなる色々問題アリの生徒会(撫子会)とのやり取りは
そういうギャップの味がよく出ていてコミカルな展開が楽しめます。

ギャップといった意味でスタンガンを相手から奪い取り、問い詰めるシーンや
ラストの満身創痍の身体で暗殺者から対象を必死に守ろうとするシーン、
所謂バトル的なシーンでの描写は一番自分がハマッた部分でしょうか。
凜とした立ち振る舞い…ちょっと想像しただけで感動します。
あれは中身が男だからこそ出せる格好いい魅力じゃないかなぁ…なんて。

今度はちょっとアニメの状態でこの作品を観てみたいですね。
女装という見た目のインパクトを今度は動く映像で捉えてみたいです。