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ドキュメント アメリカの金権政治 (岩波新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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アメリカの金権政治 ★★★★☆
時事通信社特派員として米国に赴任、アメリカ政治を観察してきた著者によるドキュメント。第一章「ロビイスト・スキャンダル」では、全米を震撼させた「エイブラモフ事件」を切り口にロビイストの問題を紹介している。第二章「アメリカ政治はなぜ金権化するのか」では、企業も労組もこぞって設置するPACと政治献金の仕組みを概説する。第三章「利益誘導が仕事?」では、日本人の感覚からはちょっと不可思議な「イヤマーク」という米国予算のシステムとその運用の実態が紹介される。

巨額の金が動くアメリカの金権政治。果たしてここに本当に民主主義はあるのだろうか?だが、本書を通して見えてくるのは、「参加型の民主主義」の国にあっては、政治の舞台に参加するためには献金せざるを得ないという構図である。

評者が思うにそのような構図はニューディール期に徐々に形成された権利政治の構造に起源があるのでそうした歴史的背景にまで踏み込んでもらうとなお良かったかもしれないが、さすがにそれは求めすぎだろうか。

いずれにしても、今日のアメリカ政治の非常に興味深い一段面を垣間見られる一冊だ。堤未果『ルポ貧困大国アメリカU』や砂田一郎『オバマは何を変えるか』と合わせて読みたい。
ロビイスト、マスメディアのライタ ★★★★★
ロビイストってどんな人だかピンと来ないものがあります。
マスメディアのライタなら、なんとか想像がつきます。

アメリカのある製品の紹介のパーティで、
取引先を集めて開催されたことがあります。
取引先だけでなく、マスメディアのライタが集まって、
なにか言いたい放題だったことがあります。

ひょっとしたら、ロビイストって、こんな感じの人たちなのかなという憶測ができました。

ロビイストって、本当はマスメディアのライタだったり、関連分野のコンサルだったりするのかもしれません。

当事者の方々の意見、資料などがもっとあるとわかりやすいかもしれません。

書かれていることを現実のものとして受け止めるためには、両方の面から書いた方ものを読むとよいのではと感じました。

どちらにも書かれていないことに気がつくかもしれません。

イヤマークという用語を初めてしりました。
利益誘導とのこと。直訳すると、耳印とのこと。
いろいろな情報を丁寧に整理している。
経済界、学術的背景の視点が弱いのは、著者がジャーナリストだからだろうか。
読み物としても良くできた岩波新書 ★★★★★

 著者は時事通信社のニューヨーク総局長。
 アメリカの政治がいかに金によって支配されているか、その実態について詳細に取材したルポルタージュです。

 老若男女の読者を相手に分かりやすい文章を書くことを生業(なりわい)としているジャーナリストだけあって、著者の綴る日本語は実に平易であり、また巨額の金が動く生々しい政治の世界を大変興味深い読み物に仕立てあげた腕前はさすがだと思います。
 数ある新書群の中で岩波新書といえば内容の質と目指すところの高さには定評があるものの、いかんせん硬質な文章が少なくないというのが私の見立てですが、本書は岩波新書らしからぬ読みやすい筆致が大変うれしい一冊となっています。

 アメリカ政治がなぜ巨大なマネーに左右されるようになったのかについて本書が指摘するのは、選挙戦の勝敗が高額なテレビCM料金を支払えるか否かにますますかかってきているからだと現実です。業界団体、労働組合、大学など研究機関、地方自治体といった組織の様々な思惑が生み出す政治献金は、候補者にとってCM料金を賄うための生命線となり、必然的に政治が金権化していかざるをえないというのです。

 そしてまたそうした思惑をもった団体にすり寄って莫大な利益を得ようと暗躍するロビイストたちの存在も、アメリカの金権政治を膨張させていくことになります。

 著者は、膨大な資料を読み込み、また自ら足を運んで取材を積み重ねることでそのなんとも生々しく、かつ臆面もない政治献金活動の実例を詳細に綴っていきます。それを読みながら私は、苦笑し、また背筋が寒くなる思いを幾度もしました。

 今年誕生したオバマ政権ですら、こうした金権政治とは決して無縁でないことに触れるくだりもあります。
 民主主義の輸出国であろうとするアメリカ政治の実態が決して夢と理想に満ちたものではないことを改めて提示してみせる、そんなすぐれたルポに仕上がっています。
西松建設との関連でも興味あるPAC ★★★★★
民主政治の難しさがよく分かる良書。会社や労組単位で政治資金を提供のPACなるシステムは小沢一郎がらみの西松建設問題との関連で興味深い。「自発性」が問題になるようだが、西松建設問題でも検察は証明可能だろうか?
政治に限らず、悪知恵で裏を掻く悪党はいるもので、人間社会の永遠の課題を見せられた気がする。
堤未果「ルポ貧困大国アメリカ」との併読を奨める。
利益誘導のえぐさは日本以上か ★★★★☆
利益誘導がすさまじいとは聞いていたが、本書で紹介される米議員の利益誘導はひどい。事実上、ノーチェックで、議員が自分に要請された公共施設はもちろん、野球クラブの補助をこっそりと予算案に挿入する。自分の取った予算でできた施設に自分の名前を冠したり、予算を自分の議員事務所の運営金に充てたり。表題の通り、日本ではあり得ないような紛々たる金権政治がまかり通っている。

政治献金もひどい。リーマン騒動で金融機関に公的資金を出すか否かという議論の最中、金融委員会の委員長が当の金融機関から迂回献金をどかどか受け取っていたという。これも日本なら犯罪になっておかしくない。

アメリカ人が「ワシントン」を嫌う理由がよくわかったような気がした。投票行動や利益誘導を草の根で細かく調べている人たちもいるが、オバマが選出された昨年の大統領選でも費用はは従来を遙かに上回り、選挙に金はますますかかるものになっている。公正さを旨とし、あれ絵ほど日本にフェアであることを要求し続けてきたアメリカは何なんだろうという思いがした。