完成度の高い若きエンターテイナー
★★★★★
子供の頃、西城秀樹といえば、「うなり声」、「叫び声」、「裏声」が特徴で、「熱い、
激しい、うざったい」という印象を持っていた。ところが、今回、聞きなお
してみて、歌唱力と楽曲のすばらしさに「感激!」した。
ジャガーのように行き過ぎというか、イジラレ過ぎというような曲もあるが、
それは時代のご愛嬌。ブルースカイブルー、若き獅子たち、などのスケールの大きい曲を
歌い上げるヒデキの歌唱力に脱帽する。Youtubeで当時の映像と合わせて楽しむと
若きエンターテイナーとしての完成度の高さを実感することができるが、
最近のブルースカイブルーを歌っている秀樹には往年の「声の艶」は既に無く、
そのことが、尚更、このアルバムの価値を高めている。まさに、秀樹、感激!だ。
素晴らしい楽曲の数々を楽しんでほしい。
★★★★☆
このアルバムの8曲目に「ジャガー」という曲が収録されているが、これほどすごい曲にはめったにお目にかかれない。当時の西城秀樹はトップアイドルだったので当然のことながら歌う曲もかっこいい曲ばかりだった。だがしかし、かっこよさを追求するあまり、超えてはいけない一線を越えてしまったのがこの曲だ。当時ブリティッシュ・ハードロック(Deep Purple,Led zeppelinなど)が若者たちを魅了していたのかもしれない、その影響のせいかかなり大胆でダイナミックなナンバーに仕上がってはいるものの、気合が空回りしてしまったとしか言いようのない間抜けさを感じてしまう。特筆すべきなのは、間奏のセリフである。吹き出すなんてレベルではない。常軌を逸しているとしか考えられないのだ、死ぬだの生きろだのって。おそらく情熱的な愛を表現したかったのだろうが、あまりにも間違えている。忘れようにも忘れられない1曲である。