1944年ノルマンディ上陸作戦前夜、ライスマン少佐（リー・マービン）はフランスのドイツ軍作戦本部を壊滅させる特命を受け、特殊部隊を編成した。しかしその面々は、殺人、強盗、強姦などの罪で服役中のならず者ばかりであった。彼らダーティ・ダズン（汚れた12人）の活躍を描いた名匠ロバート・アルドリッチ監督による戦争アクション映画の傑作。前半の訓練シーンのユーモラスさ、クライマックスの作戦実行のッスペンスフルなダイナミズムと、全編にわたって高揚感みなぎる男気あふれる演出が妙味。アーネスト・ボーグナイン、ジョン・カサヴェテス、ジム・ブラウンなど個性派名優たちの怪演も忘れられない。なおジョー・ダンテ監督の『スモール・ソルジャーズ』では本作にオマージュを捧げた設定がなされている。（増當竜也）