残念な失敗作
★★☆☆☆
★二つ。いかんながらとてもオススメできかねるデキ。
敗因はハッキリしてる。ヘンに社会派ぶろうとしたのがイカン。
わるデカのわるたるゆえんは、彼がモラルなんてクソっくらえだからで、たしかに彼は単身巨悪に対峙はするが、その動機は全く社会正義なんかじゃない。それはとことん私的なものであって、一言で言うなら身勝手でしかない。巨大組織に対してその身勝手を押し通してしまうところが痛快なのだ。
ところが今回の佐脇は世のため人のため、社会正義の実現のために行動する。だからみょーにモラリストだ。
事件に巻き込まれて生活に窮し、夜の仕事に身を任せた女が登場する。
ふだんははかなげで地味な影薄い美女だが、夜の世界では一転淫蕩さをむき出しにし、扇情的な衣装に身を包んでのポールダンスでエロオヤジ達の視線を集め、さらには佐脇を個室へと誘い込む。それに対して佐脇はこー答えるのだ。
「こういう事はやめよう。代わりにちょっと話をしないか」
あんぐり口を開いてるキミ。キミは前作からのお客さんだね?うん、コレはもーわるデカと呼べないよナ。ココはどー考えてもまずは一発ヤってから、そーゆー場面だ。主人公がこんなザマだから、前作、前々作からのお客様に対してはさらにダウンの★ひとつとすら言える状態だ。
それで得られたのは水戸黄門的な紋切り型の勧善懲悪の構図だけ。そーゆー方向性が好きなら多少は楽しめる展開かもしれないが。
ぶっちゃけこーゆー筋書きにするなら、佐脇みたいなスレっからしじゃなくてもっとナイーヴな主人公でなくちゃマズいヨ。