高品質なドラマティック・ブラック
★★★★☆
ノルウェーのブラックメタルバンド、キープ・オブ・カレッシンのアルバム。2010作
前作「Kolossus」も非常に質の高い作品であったが、本作もコンセプチュアルなドラマティックさと
激しい疾走を含んだ展開力で聴かせる、なかなか濃密な力作に仕上がっている。
クリアなサウンドにはモダンなメタルとしての聴きやすさもあって、メロブラというには
メロディ自体は甘すぎないのだが、強烈なブラストを聴かせても暴虐すぎないのがポイント。
緩急を盛り込んだ長めの楽曲構成には知的さを漂わせ、シンセによる美しい味付けがあるのもいい。
ミステリアスな幻想性は薄いが、分かりやすく高品質なドラマティック・ブラックである。