偏った主観の排除を
★★☆☆☆
三国志の代表的武将を、統率力・決断力・戦闘力・洞察力・人望・実行力・戦術戦略・義理の8観点からそれぞれ10点満点で評価する本。
企画の趣旨は良いのだが、そもそも評価軸がこれでよいのか?と疑問が残る。戦術と戦略は別物だし、決断力と実行力は同一項にしてもよいと思う。
しかしより問題なのは、評価そのもの。正史と演技では、やはり正史により準拠すべきである。特に蜀武将贔屓がひどく、孔明はまだしも、蜀滅亡の主因となった姜維を演技のみで過大評価したり、カイエツに対して曹操に降伏したから義理を1点とするのは行き過ぎにも程がある。劉備は比較的公平に評価されている分(背信を繰り返した史実を考慮した義理の採点)、蜀ファンだからこそ、正当な評価をできる方に全武将を再採点してほしいと強く願う。