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スタインベック短編集 (新潮文庫)

価格: ¥594
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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★★★★☆
 毒のある文章である。

 「菊」昔ウィスキーか何かのCMで映像が流れていた。人と人との束の間の触れ合い、は、人生の楽しみなのだが、しかし…。
 「聖処女ケティ」極悪メスブタが登場。とにかく何でも食ってしまう。ところが…。寓話である。
 「朝めし」高校時代に国語の教科書に載っていて、退屈すると繰り返し読んでいた。冷たい朝の空気、熱いコーヒー、パンとベーコンの焼ける匂い。「ある偉大な美の要素」とは何だろうか?授業で取り上げられれば必ず答えが示されただろうが。この作品がもう一度読みたくてこの本を買ったのだが、こんなに毒のある作者だったとは。そんな作者さえもさわやかにさせた「美の要素」が描かれている作品。はっと目が覚めるようである。
 
スタインベックのエキスが、ぎゅっと詰まっています ★★★★☆
スタインベックの書く文章は美しくて、素直に辿れば、その情景が文字の向こうに広がってゆくようです。たくさんの動物や、植物が登場します。複雑なことより、単純さを、何より自然を愛する人のようです。

短編集の中でも極端に短い一編が「朝めし」です。カリカリに焼いた、肉汁たっぷりのベーコンに、焼き立てのパン。湯気の向こうから入れ立てのコーヒーの匂いが漂ってきそうです。作者自身が、思い出すたびにこころの暖まる風景と書くように、このわずか数ページのスケッチは、そのすみずみまでが非常においしい文章です。夜明けの空気や大地の描写も、赤ん坊に乳をふくませながら立ち働く女性の姿も、仕事に出掛ける男達も。みな自然の一部なのです。 一日は、朝食に始まり、仕事の後の楽しみは、一杯のビール。女性を愛でるこころを持った男と、どんと頼れる男を持った女があれば、いつの世も、それなりに幸せに暮らしていけそうな気がしませんか。