いい作品
★★★★☆
カートヴォネガットJr.については、この作品を読んで初めて知りましたが、原作のペーパーバックを買ってしまったくらい、興味を引く内容でした。念動力の秘密とは、そして、バーンハウス教授はどうなってしまうのか…。原作と読み比べると、ドラマは、行間を埋めたり、緊迫感を増したりするようなエピソードが挿入されており、雰囲気は違いますが、よくできていると思います(逆に、原作の皮肉を含んだ表現はかなり薄められているような気がします)。
英語学習の教材としては、対訳のみで、基本的には注がないのが大変残念です。これだけいい教材であれば、細かいニュアンスまで知りたいと思うのが自然だと思うのですが、それらについては訳文から想像するのが精一杯です。同様のラジオドラマ、ニュース、インタビューなどのシリーズでは、注が入っているものが多いので、その点は差し引いて考える必要があると思います。
結論としては、純粋にラジオドラマを楽しみたい、あるいはある程度(かなり?)英語力があり、訳文さえあれば十分、という方にはお勧めできると思いますが、本文に記述がある「英検3級〜準2級」くらいの英語力の人にとっては、ちょっと不親切すぎるように思います。