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OJTでいこう!

価格: ¥1,554
カテゴリ: 単行本
ブランド: 翔泳社
Amazon.co.jpで確認
OJTでいこう! ★★★★★
本書は、
トヨタとリクルートの共同出資により立ち上がった
株式会社OJTソリューションズが、実際にOJTが必要な現場に赴き、
改善前から改善後までの経過を通して、どのようにカイゼンされたかを示しています。
工程管理の考え方は、
殆どの職業であてはまります。
「分ける」
「捨てる」
「測る」
「決める」
「見せる」
実践しましょう。
現場の熱気が伝わってきます ★★★★☆
本書はトヨタとリクルートが共同出資して立ち上げた会社「㈱OJTソリューションズ」が製造現場を中心にトヨタ方式の改善を伝え、広めていく過程が実例を交えて紹介されています。トヨタの改善を事細かに説明するノウハウ本というよりも、実例を取り上げて読者に改善の経過を追体験させてくれる読み物的な内容になっています。現場のスタッフというのは自分の仕事の「やり方」にこだわりがちで、言葉だけで語られる改善に対して拒否反応を示しがちです。頭では分かっているけれど、受け入れられない、変えたくない。繰り返し続けていた事を否定して変えることは結構体力がいることです。たいがいこういう状況に陥っている現場では提案される改善案を「どうすれば出来るか」ではなく「何故出来ないのか」という否定する為の答えを探しがちです。でも上からの命令には逆らえない。その場を凌ぐ為に嫌々協力はするけれど、改善の核心部分を理解しようとしないために、日が経つごとに元のダメな状態に戻っていきます。ところが本書で取り上げられている社員の人たちは最初こそ否定的な対応をとるものの、少しずつ改善の思考を持ち始め、改善に対して積極的になっていきます。何故否定的な人たちが自発的に動くようになったのか?それはOJTソリューションズの社員の方たちが現場の目線に立った改善活動を行っているからだと思います。口だけ出して結果を求めるのではなく、一緒に汗水流して変えていく。そんな地道な活動が回りの社員の心を少しずつ変えていったのではないかと思います。とても古臭くてアナログな改善方法ではありますが、無駄に思える部分こそが人の心とリンクする大切なものなのかもしれません。OJTソリューションズによって変わっていく会社・社員の方々を見て元気を分けてもらいました。こういう刺激的な職場で働く人たちは仕事を終えた後のビールも格別なんだろうな~(笑)
カイゼンの前段階として ★★★★★
「仏作って魂入れず」

システムやルールは作っても、それを実行する人が変わらなければ何も結果は変わらない、という意味だ。コンサルタント導入において、時にこの言葉のような現象が起きる。

この「OJTでいこう!」は仏の作り方というよりも、魂の入れ方に注目したカイゼン指導書であると言える。

基本的な「分ける」「捨てる」「測る」「決める」「見せる」という5つの作業を通じて、カイゼンの魂の入れ方を示しているのである。一般的なカイゼン指導書にあるような、動作経済の原則や、原価管理などについてはそれほどページを割いていない。しかし、そこが逆に良い。シンプルな言葉な分、「うんうん」と頷いて読める。明日からできそうだ!と思える。

個人的に気に入っているのは、2章から始まる「実例」の章だ。トヨタのカイゼンを、他の企業に導入していく、そのあらましが描かれている。

もちろん、例の中には「ちょっとうまくいきすぎじゃないですか?」という部分もある。それでも、現場の意識が変わっていき、最後は感謝と自信を得て幕が引かれる様子は、やっぱり読んでいてジーンと来るものだ。

1時間あれば読める本なだけに、何度か読んで、次に自分がで実行できるようにしたい。

また、作中に出てくるOJTソリューションズ(株)の構成人員は、トヨタの古参作業者と、リクルートの若手の組み合わせらしい。彼らの様子を見ると、高年齢労働者と、若年労働者の理想の関係 - 「オヤジとムスコ」 - がちょっと見えた気がした。

人を育てることが強い企業作りにつながる ★★★★★
ユニークなジャケットとは裏腹に、分かりやすくも硬派な内容に驚いた。本書の「人を育てることが大事」、「当たり前のことを当たり前にやる地道にやる」という主張はシンプルかつ愚直であるが、現在の日本企業にとって大事なメッセージであるような気がしてならない。

また、本書で紹介されている5つのアクションのような切り口でトヨタ生産方式をまとめた本は史上初と言っていいのではないかと思う。これは非常に分かりやすく、本質をついていると思う。ここまで具体的に現場からの企業改革、人材育成ドラマに迫った本は過去になかったのではないだろうか?本書で紹介されているオージェイティー・ソリューションズはトヨタとリクルートの合弁会社なのであるが、「よく両社がOKしたな」と思うような、両社が優良、優秀企業たる本質に肉薄しているといえる。

ほとんどが生産現場、製造業での事例ではあるが、それ以外の職場での企業改革、人材育成に生きるヒントが満載の本である。

筆者による後書き的な「おわりに」の章も感動的だ。日本的経営の崩壊が叫ばれたこの10年間であり、そのことも否めないが、日本企業の復活例が注目されつつある今だからこそ本書の主張には企業経営者だけでなく、ミドルまでも耳を傾けるべきであろう。

ユニークなタイトル、表紙に一見戸惑うかもしれないが、是非、手にとっていただきたい。

ものづくりの現場での改善、が体感できる本 ★★★★☆
分ける
捨てる
測る
決める
見せる

著者は、「変わること」を成し遂げるために必要なことを上記のように
まとめています。

本書は、上記5つのポイントを実際の企業のケースで説明しています。

現場でどのような問題があり、どう対処していったかを、
OJTトレーナーのエッセンスのようなものと共に

ある種のドキュメンタリーのようなタッチで紹介しています。

読んでみて、
・単純な作業・動作にも、どこまで深い洗練の余地があること
・やはり最後は「人」の力を最大限発揮するのが重要であること
を感じました。

「現場」感を少しでも垣間見たい方にオススメです。