グリーン・ニューディールという言葉が先行している感があるが、大切なことは、その政策が日本でとられるのかどうか、ということだ。
　低炭素社会に向かって、さまざまな産業が舵を切っていくことになる。それだけであれば、市場にまかせておけばいい。しかし、厳しい経済情勢下、低炭素社会に向けた投資は政治の意思がなければ不可能だ。そのことが、２１世紀のニューディール政策たる、グリーン・ニューディールである。
　本書は、こうしたグリーン・ニューディールをキーワードに、日本が、あるいは世界がどこに向かうのか、どこに向かうべきなのか、編著者である末吉氏の 40ページにもおよぶインタビューをはじめ、多くの有識者によって示されたものだ。それは、末吉氏の言う「未来の選択」にほかならない。
　日本にいると、温暖化懐疑論の本が書店にあふれ、経済団体はＣＯ２排出削減に消極的となり、低炭素社会への道筋などはほとんど見えないという気がしてくる。けれども世界ははっきりと低炭素社会に向かって準備を進めている、というのが末吉氏の見方だ。何より、こうした世界の流れから取り残される苛立ちをかくしていない。
　その他、東京工業大学統合研究院教授の柏木孝夫氏が示す低炭素エネルギー需給ネットワークの姿など、示唆に富む指摘も多い。

テレビのコメンテーターとしても著名な末吉竹二郎氏をはじめ、環境問題の第一人者たちが、グリーン・ニューディールを論じた書です。海外の例を紹介する本はたくさん出ていますが、この本はどちらかというと、そういった例を踏まえて、「では日本ではどうあるべきか」という議論に力点を置いたものといえましょう。そういう論点を読みたい人にはお薦めの１冊です。
人選がバランスが取れていて、しかもレベルの高い議論を展開できる人がそろっていると感じました。それぞれの立場が明確に示されていて興味深かったです。各論者の意見が４ページずつに凝縮されているのも読みやすい。
環境省の事務次官が「日本版グリーン・ニューディール」の政策をまとめているのに、経済産業省の次官が「日本版グリーン・ニューディールとは何のことか」と斬って捨てているあたりも、省益のぶつかりあいが見えて面白いところです（本当は面白がっている場合じゃないんでしょうが…）

タイトルに反して，必要な情報がない．
はやる気持ちは分かるけれども，客観的な情報が不足していて，がっかり．
どこがパーフェクトだったんだろう？レビューじゃなくて，単なる「ご意見」
著者の努力には敬意を表するものの．．．．お勧めではない