非常に安かったですが、新品同様でした。
★★★★★
中村征夫さんの写真集、非常に安く購入させてもらいましたが、殆ど新品で非常にありがたかったです。
写真や文章は楽しいが、新書サイズで損をしている。
★★★☆☆
著者の海中写真は相変わらず楽しいし、美しい。適切なキャプションや文章も、ちょっと考えさせたり、くすり、と笑わせてくれる。読売新聞に連載された記事を再編集したものだそうだが、他の写真集でみかけた顔も再登場して懐かしい。
70以上もある写真の中から個人的に選べば:
・キンチャクガニ:メガネの上から鋭く細い目が睨んでいるような顔は凄みがあるが笑える。住んでいたのが枯れたサンゴの中、というのが突っ張っている、というのか一徹、というのか。
・クルマダイの幼魚:住処の牛乳瓶にもう入れない大きさになったのに、まだそこから離れない。他の写真集でもみたことがある光景だが、この一枚は大きな目の頼りなげな表情が愛らしい。
・写真というよりは内容で感動するのは、大地震の数日前に季節はずれに産卵を始めたたった一匹のヒメチシオヒトデ、
・卵を守り押し寄せる大群のウニに体当たりして穴だらけになって力尽きたというオスのベロ。
この一冊にたくさんの楽しめる魚の写真とエッセーが詰っているのだからお得感はあるのだが、いかんせん、新書版という大きさが足を引っ張っている。ページ数が多いことも災いして、見開きのページの真ん中で、折角の美しい魚の全身像が歪んでしまったり、大群の中にいる肝心の一匹が目立たなかったり。これだけが大きな「残念!」である。写真が重要な本は、新書版にする時はくれぐれもご配慮ください、出版者様。
この残念感をあらわしたいので、評価は「内容だけなら」から★2つ減点させてもらいます。
軽妙なフォトエッセイ
★★★★★
水中生物のアップの写真と解説エッセイ。私自身も水中でビデオカメラを回しているので、とても楽しく読めましたし、何度かお会いした時の軽妙な喋りっぷりが、そのまま表現されています。
特に第2章の「海中奇面組」では、著者のビデオ作品「海中顔面博覧会」を思い出しました。私自身のビデオの取り方を大きく変えた作品でした。
なお、この本を書店で探した時には自然科学のところでなく、新書のところにありましたので要注意です。