【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:比企寿美子/著 出版社名:出窓社 発行年月:2009年07月 関連キーワード:アインシユタイン カラ ノ ボヒメイ あいんしゆたいん から の ぼひめい、 デマドシヤ デマドシヤ 5041 でまどしや でまどしや 5041、 デマドシヤ デマドシヤ 5041 でまどしや でまどしや 5041 日本を愛し日本人を慈しんだ天才アインシュタインと医学を通して日欧の橋渡しに貢献した一人の外科医にとって、戦争とは何だったのだろう。ナチス・ドイツのホロコースト、米軍の無差別爆撃、原爆投下、そして九大生体解剖事件…、近代史の暗部に踏み入り、戦争と平和の意味を現代に問い直す渾身の著。 第1章 アインシュタイン来日(船上での出会い日本講演福岡訪問)第2章 それぞれの流れ(アインシュタインの生い立ち三宅速という人外科医誕生ドイツ留学帰国ふたりの往復書簡)第3章 濁流(五十歳の誕生祝アインシュタインの「夏の家」二人の息子縁あって流浪のピア
Ah! Weh!
★★★☆☆
「おわりに」に著者が三宅速の孫であることが記載されているが、身内ならではの甘さを感じる。
まず、アインシュタインとの友情。確かに三宅速とアインシュタインとの関係は日本人としては特筆すべきものがある。しかし、医師の数が限られた船上で治療を施し、来日の際に世話をし、その後、手紙のやりとりをしたというレベルであれば、それを聞いた同級生が白けるのも無理はないだろう。他人に披瀝して共感を得られるような友情や絆は、少なくとも本書からは読み取れない。
もうひとつは、九州大学生体解剖事件。アインシュタインも三宅速も平和を願ったに違いないが、裏腹に2人ともに戦争の暗部と関係をもってしまう。アインシュタインはマンハッタン計画の署名、三宅速は九州大学生体解剖事件。
アインシュタインが原爆投下に「Ah! Weh!」と嘆き、自身の署名の正当性を訴えつつも、苦悩を続けたのは本書によらずとも明らかになっている。一方、三宅速の息子の博はどうたったのか?父の起こした医学部でおきた凄惨な事件を、個人の犯罪と片付けて、無垢な気持ちで平和を祈ることが可能だったのであろうか?
まず、三宅博がこの事件をどう捉えたのかを書くべきだ。三宅博も悶絶し、苦悩したのであれば、その苦悩を知ることによって、読者は平和への念をより強くできるはずだ。
「戦争・家族」と「核廃絶・平和」
★★★★★
先日、羽田から長崎に出張の際、本書を拝読させて戴きました。普段、機内では仮眠する事が多いのですが、今回搭乗中ひたすら本書を読み続け、夜遅くホテルに帰ってから朝の2時まで拝読しました。戦争と家族を考えさせられ、もう一人の主人公であるグランド・ピアノ(フリューゲル)がストーリーに厚みを加え、素敵な文書構成に感動いたしました。 さらに世界的に核廃絶が叫ばれている中、価値ある内容です。アインシュタイン博士が同じ研究分野以外の方で、日本にこれほど強い友情の絆を持った方がおられた事に、大変な驚きでした。ストーリーの流れはとても読みやすく、ノンフィクションとして本書は、膨大な専門的参考文献に裏打ちされ、是非ともお勧めしたい一冊です。
飾らない文章に偶然の出会いと戦争を織り交ぜた秀逸作品です。
★★★★★
原作者の比企寿美子さん、ご自身の戦争体験を元に、祖父である三宅速先生と
アインシュタイン博士の偶然の必然とも言うべき、出会いを織り交ぜながら
決して、飾ることなく、ありのままのご自身の体験を綴られた良著です。
計算された文書構成と、流れるようなストーリがうまく読み手を引き込み
私自身も一気に読んでしまった秀逸な、ノンフィクション作品です。
この作品で語られるアインシュタイン博士が何故「原子爆弾推進」に署名
したか、そして原子爆弾を落とされた日本への想い、三宅家の苦労・苦悩
そして、今の日本人が忘れかかっている「良き家族のあり方」等、現代の
「戦争を知らない」人達にとって、学ぶべき点と、平和という概念がいかに
今の日本にとって、「良い状態」であるかを考えさせてくれる良著である
と思います。読まれていない方は是非一度お手にとって、拝読すべき本だと
感じました。
時代を超えて
★★★★★
アインシュタインと日本がこれほど密接な関係にあったのか!と驚いた。アインシュタインが血の通った人物としてリアルに自分の胸にストンと入ってきた。
たくさんの人に読んでもらいたい。若い世代にも!!!!
歴史に深く刻まれるべき、感動の物語
★★★★★
終戦記念日を前に知人に勧められて読んでみたが、まさに日本の近代史に深く刻まれるべき、知られざる感動の実話が、美しく端正な筆致でみごとに描かれ、まるで映画を観ているかのような臨場感に引き込まれて一気に読んでしまった。
「戦争の悲惨さを語り伝える」というだけには留まらない、もっと大きな世界的視野に立った、人間の本質を問いただすような素晴らしい内容。読みながら驚きと発見の連続だった。
終盤のクライマックス、空襲の中を逃げ惑う幼女(著者)と主人公・三宅速博士の壮絶な最期の描写は、戦争の悲劇を語るに充分で、涙なしにはとても読めない……
重いテーマではあるが、文字の大きさやルビにも配慮されていて読みやすい。余韻に浸りながら、すぐにもう一度読み返したくなった。
戦争の記憶が薄れつつある現代日本のあらゆる世代、そして海外の人々にもぜひ知らしめたい貴重な一冊だと思う。