トヨタシステムの概要
★★★★☆
トヨタ系で働いていますが、かんばんについてよくわからないので購入しました。
本の内容は、少々物足りなかったり、少々深かったり、まちまちです。
入門レベルというか、トヨタシステムの入門としては、十分満足できます。
他の入門書とは、実例が細かに入っている点、改善事例が多いことで
かなり、違ったイメージを受けます。
※個々の知識(工程管理、原価管理等)は、別途勉強しておくと
より深く意味がわかるかも知れません。
トヨタの生産システム、改善活動がざっくりとわかるように書いてあります。
原価低減と流れ生産で、無駄を省き、利益を上げる。
常に付きまとうのは、地道な改善活動だということ。
原価に関しては、基礎知識が無いため、私には、少々難しかったです。
基本をしらないので、トヨタ方式の意味が判りませんでした。
本の趣旨からは外れますが、
特に知りたかった”かんばん”について、
少々歴史を踏まえながら説明がされていて、
あ〜なるほど、そうだったんだと素人ながらに感心しました。
トヨタ生産方式の入門書として最適です!
★★★★☆
これはおもしろいトヨタ生産方式の絵本です。
トヨタが素敵な会社であることと、日々の努力が大切だということを考えさせてくれます。
かんばんというかけ声の下に御輿をみんなで担いでいるようなイメージを持ちました。
部外者がトヨタ方式を理解するために必要なステップ
★★★★★
本書がなければ、トヨタ生産方式の理解は関係者以外には難しいのは間違いない。本書は工場見学の際にも詳細に説明されない点を多く解説している点で類書と一線を画している(工場見学の機会があるならば、前に一読すべき最良の書である)。
例えば、藤本隆宏・門田らの著作群を読み込んでも、コストテーブルの実態やカンバン循環のルート設定の現実は分かりにくい。念のため、大学院などの教育現場で使われることの多い藤本の「生産マネジメント入門」を参考として読めば、MOT教育における現場知識の理解が本書なしには難しいと認識できるだろう。
ただ、本書の対象としている読者(製造業の概要説明を欲している人々)にとっては高品質の内容ではあっても、下のレビューで記述されているようにこれはあくまでトヨタ生産方式の基礎・導入説明でしかない。この点を念頭に置いて読めば、本書の価値を適切に理解できるだろう。
待っていましたという感じです!
★★★★★
この本を読んでトヨタがダントツを走り続ける真の理由がよく理解できた。
これでは筆者の言う、トヨタとそれ以外の企業の差は時間の経過とともに
開くばかりで、本当に22世紀にはトヨタしか存在していないかも知れないという言葉が
冗談に聞こえず、真実味をおびてくるから怖い。
またこの本に書かれている知識を一般企業が知ったところで、ここまで実践するには
それこそ何十年かかるか分からない。トヨタも産業界が困っていたのを知りながら、
見て見ぬふりをしていたのだろうか。日本の、いや世界のリーディングカンパニーなのだから
自ら進んで産業界全体の底上げに努力してもらいたいものだ。
しかしながら「トヨタ式絵解き」はすごい。こんなに分かりやすい本は初めてだ。これは
他のことにも十分に活用できる。筆者はこの部分に特化して著作を考えてみてもおもしろい
のではないだろうか。
生産現場の改善と経営計画の融合
★★★★★
この本はインパクトがあった。なにがすごいか良いか、次の5つにまとめてみた。
1.図解が工夫された表現方法で多用されていることにより、理解しやすい。
2.ジャスト・イン・タイムと自働化のトヨタ生産方式2本柱をはじめとしてとして、後工程引取り(カンバン方式)、1個流し、段取り改善、平準化生産、少人化、目で見る管理(見える化)などが図解により丁寧に解説されている。内容も結構細かな運用にまで踏み込んでおり、読者にとってはかゆいところまで手が届く内容になっている。
3.工程改善の本では、生産現場の改善までで終わっているものが多いなか、原価企画・原価管理、管理会計にまで踏み込んで紙面を割いている。
4.1冊の本の中に、生産現場改善と原価管理の両方を持ち込んだことにより、現場改善が、原価管理の中のどの部分に効果を及ぼしているのかという関連が分かりやすくなっている。
5.中長期経営計画(利益計画)⇒原価企画(目標原価設定)⇒開発期間のコスト改善⇒量産段階のコスト改善⇒当該モデルの終結、という流れの中において原価企画・原価改善が語られている。ここまでがトヨタ生産方式なのだ。現場改善も、企業経営という視点から俯瞰されている。
生産活動を対象に、コスト改善をこのように広い視野から解説した本は他にないであろう。かといって高尚すぎず現場改善の参考にも十分使えるものとなっている。
しかし、知識だけがついてもなにも変わらない。重要なことはしくみを自社にあわせてカスタマイズし、プラスアルファを付け加え、そしてなによりも実践して効果を出すこと、そして継続して改善していく風土をつくることであり、実はここが難しい。
著者が、これほどトヨタ生産方式の真髄を記載したのも、それを実施することは容易ではなく、本式導入を図るには、結局はコンサルタントの支援が必須であると考えているためであろう。