件名に「お願い」だけってメールは、ほんとご勘弁を(笑)。
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件名に「お願い」だけってメールを、今でもときどきもらうことがあり、いつもドキドキしてしまいます。「断る」しかないような依頼だったらやだなー、でもやりたい仕事だったら嬉しいなー、ひょっとして妙齢の女性からの「つきあってください」という「お願い」だったらどうしよう…(←やや妄想入ってます(^_^;))などなど、そういうメールをいただくと、小心なおじさんの心は千々に乱れるのであります。「相手に無用の心理的負担を与えない」ということがマナーの基本であってみれば、本書の筆者が教えてくれているように、件名は内容を端的に表わすものであるようにしていただきたいものです。そういう、「当たり前だけどあまり言われていないこと」をまとめてくれた本書は、広く読んでもらいたい本です。
メールコミュニケーションの「プロトコル」の実用例
★★★★☆
部下指導の必要上、手に取った。新入社員が本格的に稼働を始めるこの時期、メールの書き方は気になるビジネススキルの一つである。
学生が社会に出たとき、それまでの人間関係ともっともおおきく異なるのは、年齢幅の広さ、上下関係の深さだろう。
ビジネスメールの書き方といっても、コミュニケーション技法という点では普段と異なるわけではないが、年齢や上下関係からくる敬語表現については、使い慣れていないと難しい。その点、本書はとくに敬語や丁寧な表現について例示が多く具体的である。たとえば、
・悪い>ご理解いただきますようお願い申し上げます。
・よい>ご理解くださいますようお願い申しあげます。
・悪い>お問い合わせの件に関して、回答させていただきます。
・よい>お問い合わせの件に関して、ご回答いたします。
のように、やや微妙な表現についても正誤を対比させて解説しているのが実用的だ。
コミュニケーションの本質は、ほんとうは伝えることではなく、伝えたことによって相手の行動を変えることにある。広い意味での問題解決だと思う。敬語の使い方や宛名の書き方、返信は24時間以内などというお作法は、コミュニケーションを成立させるうえでのルール、プロトコルである。プロトコルの上に伝えたいコンテンツを載せ、さらに様々なテクニックを駆使してより効果的、効率的に相手の行動変容をコントロールする。コミュニケーションとはそういうものだ。文章が拙くても敬語が間違っていても、誠意さえあれば伝わるというものでは決してない。
本書には精神論はほとんどない。そのかわりにサンプルが豊富にある。そこがよい。メールコミュニケーションの「プロトコル」の実用例として、まずそのまままねてみるのがよい。「誠意」はあとからついてくる。
やっと見つけた!メールの指南書
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ビジネスシーンにおけるメールのマナーやルールを示してくれた一冊だと思う。最低限の字数で情報を整理し、かつ高い好感度を得られるメールの書き方の指南書だ。悪い例、良い例の比較がおもしろく読める。また最後にひな型集があるので迷ったときに利用できるのもポイントが高い。