住まいと暮らしを考えるためのインデックスとして。
★★★★☆
「大人のための面白くてためになる、ファーストブック」
というキャッチフレーズの「あたらしい教科書」第10弾。
「ファーストブック」だけあって、
「住まい」の原点に立ち返ろうとするかのような構成です。
たとえば、第1章「住まいと行為」では
「おいしく食べる」「ぐっすりと眠る」「家事を楽しむ」・・・
などの項目が立つ。
それぞれの項目は、
章毎に立てられた執筆者が一人称で読者に語りかける、
一話完結のエッセイ風の文章になっています。
だから、必ずしも本の最初からおしまいまで
通して読む必要はありません。
この本の使い方としては
(1)住まいをつくったり買ったりするとき、
どんなことを考えておくべきか、見落としていることはないか、
をチェックするためのインデックスとして。
といっても、「契約」とか「税金」といった手続きのチェックとは違います。
「自分の暮らしと住まいの関わり」という視点と思ってください。
(2)(1)で気になった項目を読んで、
自分なりに考えるためのきっかけにする。
筆者の意見を押しつけられることはありません。
巻末には、住まいの専門家リスト、書籍やウェブサイトなどの資料も。
住まいを舞台とした映画や、
見学可能な歴史的住宅が紹介されているのも楽しいです。