短編集の巻末にガイド
★★★★☆
設定がてんこもりで、結構忘れているエピソードとかあったりして、よい復習になりました。
シリーズなのに、割と主要らしき人物でも数巻出てこないとかザラですからねえ・・・
ストーリーも散漫ならこっちも適当に雰囲気だけ楽しんでる、ぬるーい感じが心地よい。
そっくりさんと入れ替わるために育てられてる人たちの里の謎(含む精霊のみなさま)
本物の王女様の思惑
双子弟くん
オース
帝国の失政
このあたりが全部片付くのか見ものです。
短編はどれも読み応えがあった。
リュリュカと時計男爵の恋物語(笑)は宮廷物の外伝としてはありがちで、でも楽しかった。
ケイカとオースのエピソードは・・・なんというか、いろいろ意外だった。
ナーナ姉さまがそこまで優秀な後継者候補だということも。
彼女たちが東方かぶれであることは、ケイカが分析したように宮廷内のパワーゲームの一要素でしかなかったのか、それとも本当に抜き差しならないところまできていた国民感情だったのか。
ケイカとオース。何もかも似合いの二人だったのに。
二人がもっと素直で、二人に結ばれる意思があることを周囲にアピールしていれば、ハッピーな結末もあったんじゃないかと思うと切なかった。
しかし作中カップルほとんど寸止めで、なんだか貴重なシリーズですな。
ママや先生が安心して小中学生に薦められるジュブナイル小説です(笑)
入門ガイド付短編集
★★★★☆
プリンセスハーツ第8巻は、5本立ての短編集です。
一本目はジルの部屋付女官リュリュカが主人公。
お城へ上がった女官さん達の真の目的は「結婚相手探し」。勤めて二年のリュリュカは同期で最年長、嫁き遅れだそうです。そんな彼女が、追い詰められて藁にもすがってしまった相手とは・・・。目覚めてしまった彼女はこれからどうするんでしょう?。
2本目と4本目は、焦れ焦れ仮面夫婦のジルとルシード。2本目のお話は、ルルル文庫のHPに掲載されたストーリーに加筆したもののようです。
しかしジル、ドキドキ体験の行き着く先が、なぜ最後の最後に30度位曲がっちゃうんでしょう・・・。でも嗅覚って、本能刺激しますよね。あれはあれでけっこう際どいコトを言っているような気もする(笑)。丘の麓の兵士さんらのように私も拳を振り上げましたよ〜。もう、ルシード、なんで理性と戦うか!。
3本目のお話は、ナンセ公爵夫妻が主人公。夫サラミスに語るケイカのオズマニアでの思い出はかなり重いです。美しいナーナにでれでれする雹王子をイラストで見てみたかったかも。
ケイカは小悪魔な夫とともに今が幸せそうで良かったけれど、次巻本編はオース王子の逆襲があるようで・・・不穏です。
最後5本目は星石の精霊ミゼリコルドとジルの話。この世界での精霊たちについてのさわりがわかる小編といったところでしょうか。
小説の他に、プリンセスハーツ・シリーズ ナビとして登場人物や用語の解説、語録、事件簿、既刊の紹介など20頁程ついています。(巻頭に関連地図・・・国同士の位置がわかる、もついていました。)
ここまで7巻、次から次へと謎が出てきて、事件は解決しても物語はまだまだ・・・な感じがあるので、整理してもらって助かったと言うかガイドとして役立ちそうです。