日本のポップシーンにクラブジャズやブラジリアン、レアグルーヴなどをいち早く導入し、J-POPアーティストのプロデュース・ワークでも辣腕を発揮してきた MONDO GROSSO。一転、「これまでとは違う人生」と言い切る、自身の素を前面に打ち出した強力に DJ 的なアルバムをリリース。冒頭こそ従来のブラジリアン・ハウス・テイストの残る楽曲を配しているが、次第にビートの変則性が加速。全体にエッジの立った作品だが、なかでもビースティ・ボーイズの「FIGHT FOR YOUR RIGHT」のカヴァーは顕著なアプローチ。Kjフィーチャリングの「SHININ'」に見える音楽に対する祝福感、大ラスのUAが歌う「光」の荘厳とした雰囲気も含め、海外のビッグ・ダンスアーティストと比肩し得る内容だ。(石角友香)