司法試験用に考えるベースになる本、と思いました。
★★★★★
司法試験に9条や25条がストレート聞かれることは「口述試験」ではいざしらず、まずはないでしょう(25条については「朝日訴訟」や「堀木訴訟」が出るかもしれませんが)。この本のように一方の立場に立ってはっきりと主張している本は、あいまいな評論家的な学者先生のものより本質を際立たせ憲法がよくわかるようになります。もちろんその逆の立場の本の場合も同様でしょう。ただこの本と逆の立場で書かれた書物で説得的なものにはお目にかかっておりませんが。それはなんでなのかということも、この本で見えてきます。9条、25条ばかりではなく、すべての憲法条項を見直すキッカケになる本です。このような考え方もあるのか、しからばわたくしはこう考える、というトレーニングになりました。
中国や韓国の知人が「日本の憲法が羨ましい」と内心皆思っていることを知っているものにとっては、その「力」を再認識させられました。