大学院でマクロ経済学をやるなら
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旧版は絶版になっていたのですが、見る人はちゃんと見ていて再発されていたんですね。確かにランダム・ウォーク、ブラウン運動を扱っていないという問題はあるんですが、マクロ経済学を大学院で専攻しようという学生には、数学的に、最低これくらいちゃんとやっておいてもらわないと困ると思います。ファイナンス系の本は、逆にマルコフ・チェーンに関しての記述が疎かだったりするので、この本と松原望「入門確率過程」や森村英典+木島正明「ファイナンスのための確率過程」をあわせて読むのが良いのではないかと。もっと包括的なのはカーリンの「確率過程講義」ですが、翻訳は絶版みたいだし。HarrisonのBrownian Motion and Stochastic Flow Systemsに至っては、英語でも絶版。なんか内外問わずファイナンスのための確率過程虎の巻みたいな本ばっか増えているので、本格派の復刊は大歓迎。