ふたつも要らんな〜
★★☆☆☆
「さよならニッポン農業」で書かれていることのダイジェスト。
というか、著者の主張のエッセンスがまとめられた本である。
ページ数も少なく、これだけ読めば彼の主張は分かるでしょうね。
思わず買ってしまいましたが、どちらか一方で十分。
正直、隔靴掻痒
★★★☆☆
高名な学者によって書かれた本である。私は農業について全くの素人であるが、読んでいて隔靴掻痒感に打たれる。
法律が骨抜きになっている、農業委員会に問題が多い、弱者面する偽装農家に問題が多い、と嘆く前に、骨太なモデルを提示してほしいと思う。
国民の不満の元は、もっと基本的なところになるのではないだろうか?
自分なりに考えるところは、こんなところである。
・農業が産み出す付加価値のシェアに応じた政府や地方公共団体の公務員配置や予算配分にしてはどうか?それを超えて配分されているのであれば、10年程度の期間を切って適正化してはどうか?
誰しもが、農業分野に過剰な人員投入がされていると思っているであろう。適正配置を超える人員は、農業からの撤退策を考える要員にあてるのも一案ではないか?
・輸入規制と補助金の併存は、「泥棒に追銭」的な印象。どちらかに一元化してはどうか?
・食糧安保を言うのなら、耕作意思のない土地は買い上げて国有化して(あるいは相続時に物納)、耕作適地は公務員(あるいは独立行政法人職員、あるいは公設民営)が耕作し、適地でない場所は自然に帰してはどうか?
国有林があるのだから、農地を国有化できない理由はない。今後、一層過疎が進む地方の農地の価値は(誰も認めたがらないだろうが、実は)二束三文であり、障害はないように思う。
・食糧安保を言うのなら、太陽光発電などの自然エネルギーを活用した植物工場を大規模に作るのはどうか?
昔ながらの品種改良を行っているような研究機関は、植物工場に関する技術開発に取り組めばよいのではないか。世界に冠たる植物工場なんていうのは先進国らしいと思うのだが。
荒唐無稽に見えるかもしれないが、本書を読んで、まじめにそう思っている。
やや過激。。。?
★★★★☆
「家族で読める」とあるように、大変行間も広く、
読みやすく、かつ薄いので、あっという間に読めます。
がしかし、内容はかなり農政を糾弾した内容になってます。
他のレビュアーの方にあるように、私のように農業にかかわったことのない人間にとっては、
現在の農政の問題やその姿勢には驚くことばかりです。
また、実家の周りの田んぼや畑が実家周辺の人口の増加に伴って、
あっという間に姿を消して、住宅やパチンコ、その他施設に変わっていったことが
思い出され、物悲しい気持ちになりました。
農政や農家に対して、大変厳しい指摘が続きますが、
戸別補償制度などニュースを見ていて違和感を感じる私としては、
大変勉強になりました。
是非、ご一読を。
知る事は大事だが、さて解決への道筋はどこにあるのか?
★★★★☆
漸くここ数年農水省も耕作放棄地全体調査を行い、2013年迄に耕作放棄地の解消を目指し、昨年度は再生利用緊急対策交付金も交付した。
官僚のやる事は常に後手に回るが、それでも行わざるを得ないほど放棄地は約40万haと増大し、洪水防止、水資源涵養など多面的機能の低下で国土は荒れている。
地方でも手は打っていて、愛知県豊田市では耕作放棄地を農業法人が借り受けて耕作しているが、農業法人に貸すより転用して駐車場や工場にした方が賃借料が何倍にもなるので、賃借契約が継続されないケースが出ている。
まさしく本書で指摘されている偽装農家の例で、2009年2月には、多額の税金を投じて土地改良した農地で、農地法上もっとも厳格に転用が規制されている優良な農振農用地が相次ぎ転用され、農地賃料の100倍以上でトヨタ子会社の愛知陸運の物流センターに貸地されていることが分かった、と中日新聞にすっぱ抜かれている。
まさしく本書に書かれた県、市、農政局、農業委員会を含めたマネーロンダリングシステムの具体例である。
長野県宮田村でも、村が耕作放棄地を一括して借り上げ、営農希望者に貸与しているが、あくまでも増やさない程度のものであって、減らすという策には結びついていない。
また宮田村の場合、殆どの耕作地はほ場整備が行われて優良農地化され、耕作地の条件が良いということが成功の要因にある事から、どこでも真似できるものではない。
農地の需給バランスの崩れとの原因を正し、農業自体で飯を食えるようにせねば就農は増えず、抜本的解決にはほど遠い。
本書で暴かれたこの偽装ぶりをどう解決すればいいのか?
一般的には知られていない情報を、木鐸として知らせてくれる良書ではあるが、問題自体は悩ましい。
どうなんでしょうか
★☆☆☆☆
正直、これだけの偏見をもって本を書けるというのは、非常に恐ろしいと思いました。たまたま週間ダ○○モ○ドという雑誌に紹介されていたので、試しに買って読んでみましたが、ガッカリでした。確かに、偽装農家のような方は実在しますが、決して多数ではない。少なくとも地方の売れない農地を持っている大多数の小規模農家はそうではないと思います。売れそうな農地を持っている小規模農家なんてたかが知れていると思います。地価の高いところで経営している大規模農家は、固定資産税だけでもかなりのコスト高になりますし、相続税を支払うとなれば、規模縮小するしかありません。納税猶予もありますが、20年間も農地として利用しなければならないですし、仮に他の担い手や集落営農組織に任せようとしても、地価の高いようなところは宅地に近いとか、小区画などで生産性が低く、そう簡単に誰も引き受けてくれないのが現状です。このような実態を少しでも理解されていたなら、この本のような内容にはならなかったと思います。正直、買うだけ損した気分です。