【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:橋本治/著 出版社名:講談社 シリーズ名:双調平家物語ノート 2 発行年月:2009年06月 関連キーワード:インセイ ノ ニホンジン ソウジヨウ ヘイケ モノガタリ ノ-ト 2 いんせい の にほんじん そうじよう へいけ ものがたり の-と 2、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253 院政こそ、「男の歴史」の始まりだ。時代の転換点に必ず現れる院政を検証し、新しい歴史の広がりを縦横に描く「橋本史論」。 后の力蘇我氏の時代人のいる歴史男の歴史天皇の舅-摂関家家長と一族転換期としての院政の時代名門が滅びる構造父子対立への道破綻の前夜男をキレさせるシステム戦えない男達おかしなおかしな平治の乱平氏政権への道鹿ヶ谷事件とその謎崩壊への道源氏と平氏は戦うが「木曾義仲」という謎
橋本治、ますます畏るべし
★★★★★
『双調平家物語』本編の方は相変わらず積読状態。
『権力の日本人』は、分厚い本ではあったし、時代をどんどん遡行して行く構成に「何だ、これは?」とも感じたが、主題の線そのものは過たずに追えるように書かれていたと記憶する。とにかく面白かった。
ところが、その続編であるはずの本書は、扱われる時代のせいもあるのだろうがガラリと雰囲気が変わっていて、とにかく人名の洪水、人間関係の錯綜、記述の密度に圧倒される。『双調平家物語』本編の登場人物は1300人にものぼり、著者はそれらの人物たちに関する人名辞典のようなものを作ったそうだが(p434)、おそらく著者と同じように自分で系図と年表を作り、人物間の関係を腑分けしながらメモをとるような作業をしない限り、完全には咀嚼できないような気がする。
その一方で、この洪水と錯綜の間に間に浮かび上がる歴史の新たな相貌に魅せられて、とうとう途中で投げ出すことが出来ず、1か月近くもかけてようやく読み終えた。
橋本治は、何もこの仕事だけしてたワケじゃないんだしねェ……還暦を過ぎて、なおこれだけのパワーと持久力を維持しているのは、怪物的としか言いようがない。疑問に感じる点もないではないが、その疑問を批評や批判にまで練り上げる見通しが全く立たない私であります。
何が書かれていないかは要確認
★★★★☆
長年、橋本治氏の評論を読んできて(本書は長大な「あとがき」なので論考ではないですが)、何か大事な
ことが書いてあるような気がするんだけれどもイマイチ釈然としない読後感が残ることに疑問でした。
本書を読んで、どうやら上記のぼんやりした納得し切れない感に答えが得られたように思います。
おそらく、橋本治は近代がわからない、のだと思います。
「こんなところにも現代人が」とか散見されますが、それは違うと思うのです。
こんなこと書いた日にゃ「’89」とか「ぼくたちの近代史」とか「二十世紀」といった著作のある作家に向かって、
なんてことを!と自分でも思うのですが、上述の納得し切れない感を説明するには、現在最も有力な仮説
です。
前近代と近代をわけるメルクマールとしてパーソンズがパターン変数として列挙した、あの表を想定してみても
良いかもしれません。あるいは、単純なシステムと複雑なシステムの対置でも良いかも知れません。
橋本治は、おそらく、そうした対比のうちの「近代」あるいは「複雑なシステム」がよく了解できていないのだ、
というのが私の仮説です。
古典や前近代の“具体的な”人間関係は、近代や、あるいは複雑なシステムの枠内で日々生成消滅して
いる単純なシステムにおいても、“普遍的”だと思っています(近代読書人の誕生とか声の文化に対抗する
文字の文化なんかは要検討ですが)。
上述のことは「橋本治は近代がわかっていないから駄目なのだ」という趣旨の批判ではありません。
そうではなく、複雑な社会システムが視野に入っていないことを踏まえれば、むしろ橋本治が描写しようとして
いることが(ある局面では著者の意図を超えて)かなり普遍的な内容であることが、もっとはっきりするのでは
ないか、という感想なのです。
まったく蛇足ながら、当時の朝鮮半島との交渉過程を一切無視して飛鳥〜鎌倉までを記述するのは、
かなり疑問。
国家とは?
★★★★☆
だーっと読みました。双調平家物語、権力の日本人も読みました。一言面白かったです。前回、これが終わったら太平洋戦争を舞台にした話を書いてみたいとおしゃっていたのですが、橋本氏はちょうど今の政治家さんと同じ年くらいの団塊の世代で、エヴァ好きで、今までの評論をちょこちょこ読んだいるとどちらかというと左派リベラルな感があるんですが、この著書の最後に「国家とはなんなのか?今の私には手に負えるモノではないのでやめる」と書かれいていたのですが。何か変化があったのでしょうか。
面白かった!
★★★★★
やっと読み終わりました!
面白かった!前作同様「ノート」ということなので、基本的には日本の政治のありようについての考察(古代から源平にいたる)なのですが、
個人的には本編「双調平家物語」を読んでいたときから気にかかっていた平重盛に関する部分が、なるほどなぁと。
「神護寺三像」から「後白河法皇と重盛が…」というのは説としてはあったようですが、ここまでその内容に肉付けし、一族内での重盛のありようをあきらかにしたのは橋本氏がはじめてではないか、と。(ただ「神護寺三像」は最近の足利兄弟説のほうがありなのでは、と思ってますが)なので、本編でのその部分の考察をここで補強しているように感じました。
創作としても新説としても非常に面白い部分だと思います。
「そうなんだ!」と思う部分と「強引だなぁーー」と思うところもありますが、やはり面白いのでいいや!と思えますね。
ドラマにもなった某女性作家の『平家物語』などのいわゆる「女人平家」に「なんじゃこりゃ?」と思い、読み始めた「双調平家物語」、、、
何でもかんでも「女性の視点で」では分からないことが多すぎると、気づいた次第。
私は一ファンなので、橋本氏にぜひ次は「太平記」を!!と思わずにはいられません(笑)
氏ならあのわけがわからない南北朝時代をどれだけすっきりと説明してくれることか。と。
氏の解説する観応の擾乱が読みたいんです!お願いします!