しかし、今ひとつ満足感に欠ける本でした。雨にも風にも寒さにも負けずに、小柄にしてハーレーに乗る、そう彼女を突き動かしているものが行間から伝わってこないです。五感を通じた現象はそこにつづられていても、そこに「国井律子」という人物が見えてこないのです。
そんな「軽さ」がむしろ心地よいのかもしれませんが。