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ドイツの地方都市はなぜ元気なのか―小さな街の輝くクオリティ

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 学芸出版社
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日本の地方都市はなぜ元気ではないのか ★★★★☆
筆者はドイツの10万人都市がどうして健全になりたっているのかを、過去からのドイツにおける諸事情の発展経緯を解説しつつ、最新情報を織り交ぜながら、読み易い文章で紹介しています。

示唆に富む視点が豊富に盛り込まれており、興味深かった。

本書から "日本の地方都市はなぜ元気ではないのか" に対する回答を導きだせるかもしれないと考えて読んでみましたが、残念ながらそれはやはり別のトピックであることが分かりました。それは、あとがきにもあるように、次の点が結局のところツボになるのだと思う:

「それにしてもエアランゲンの出来事を書くのは難しい。当然のことながら、独自の歴史、メンタリティ、文化、社会システムなどが背景にあるからだ。時には同じ言葉でも日独で文脈やイメージされるものが異なることもある。これらをどう盛り込み、表現すべきかは、いつも苦労する点だ。」

現在の日本の状況は私達が選んでしていること。もし問題があると思うのであれば自分の考え方をかえて行かなくてならないのだということを改めて思いました。
小さくても質の高い地方都市 ★★★★★
 本書はドイツ・バイエルン州北部の人口10万人の地方都市、エアランゲンの様子をレポートし、ドイツの元気な地方都市のあり方を紹介したものです。
 ドイツではたった人口10万人の都市でも美しい中心市街地があり、人々で賑わっています。それは非営利法人(フェライン)が景観の管理をしっかりしており、また求心力のある広場でいろいろなイベントが行われているからです。市民も基本的には近場で働いており、寝に帰るだけの日本の都市のあり方とは根本的に異なっています。企業も郷土を愛しており、イベントや建物の保全に寄付をしたり、宝くじを作って資金を集めたりしています。それを支える地方自治体は博士号取得者などの専門家集団。市民の側でも各種のフェラインを組織して、多種多様な活動を展開しているので、街がにぎわうのもうなずけます。
 歴史的に自治意識の強い自治体やその積み上げであるドイツの連邦性という国家制度、クラスター戦略やインキュベーターなどによるベンチャー支援政策などの自治体経済政策、街のアイデンティティーを高める街ぐるみの文化行事、官民による積極的な地域資源の発掘とメディアとしての公共広場、ドイツで7割を占めるほどの元気な地方紙などのコミュニケーションツール、など元気なドイツの地方都市を支える制度や取り組みが極めて多彩で、自治体も企業も市民ものびのびと政策を打ち出している様子がよくわかります。著者は都市の質を決めるのは、何でも揃っていること、それを支える各種専門家がいること、生活の質を高める文化や芸術が根付いていること、そのために個人の思いが公共性にまで高められ、理念や哲学になっていることをあげています。
 美しく均整のとれたドイツの都市。しかも賑わいがあり、経済発展も実現してるその秘密を垣間見ることができます。生き生きとしたドイツの地方都市の営みに触れることでき、読んでいて元気が伝わってくる本です。