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トリダシ (文春文庫)

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
ブランド: 文藝春秋
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「とりあえずニュースを出せ」
東西スポーツで、スクープを連発し異彩を放つ一匹狼の野球面デスク・鳥飼義伸。

異常ともいえるほどスクープに飢えたその姿勢、編集局長から新人まで関係なく叱り飛ばす尊大な態度……。
周囲の人たちは、彼の口癖にひっかけて軽蔑と畏敬の念を込めて「トリダシ」と呼ぶ――。

各球団の人事情報にまで口をだし「影のGM(ゼネラルマネージャー)」と呼ばれ、他紙から恐れられる存在のトリダシは、「なぜ、彼はそこまで〈スポーツ新聞〉、そして〈スクープ〉にこだわり続けるのか?
トリダシには、以前、上司に煙たがられ、一般紙の社会部に転属した過去があった。

上からは煙たがられ、下からは恐れられるトリダシとは、いったい何者なのか。
そして、トリダシは、なぜ選手や監督の信頼を勝ち取り、かつ安心して口を開かせて、スクープを取りつづけることができるのか。

女性部下、元野球選手の記者、ライバル紙のエース、球団関係者、一般紙時代の過去を知る同僚、デスクなどの視点から、トリダシの実像とともに、丁々発止の知られざるスポーツ記者の世界の裏を炙り出していく連作短編集。

『ノーバディノウズ』でサムライジャパン野球文学賞、『サイレントステップ』で馬事文化賞候補と、玄人筋から絶賛される本城雅人が、満を持して自らの職業だったスポーツ記者ものに挑んだ勝負作。

横山秀夫氏も絶賛!
「この作者は巧みな投手だ。球筋の読めない心理戦に翻弄された。」

解説・内田剛