芳醇な恐怖譚
★★★★★
この「Η(イータ)」で「超」怖い話も15周年、18冊目になる。
これだけシリーズを重ねた実話怪談書籍は後にも先にも
「超」怖い話だけではないだろうか?
これだけ長くシリーズを続けているのに、マンネリどころか、
逆に「熟成が進んだ銘酒」のような、芳醇な味わいの1冊に
なっているのは流石だろう。
今回も「超」怖い話ならではの恐怖譚が並ぶ。
生理的嫌悪感をもよおす話もあれば、読後に暖かな気持ちになれるものまで、
実にバリエーション豊かだ。
中でも「不可思議系恐怖譚」の充実たるや、この手の怪談が好きな人
には堪らないのではないだろうか?
これもまた、「超」怖い話の魅力である。
さて、この「Η」にはある「企画」の告知が掲載されている。
「超−1」といった企画だが、これは是非ご自分の目で確めていただきたい。
単なる企画案内ではなく、「超」怖い話が何を目指しているのか、その指針
ともいえるべきことが(結果的に)書かれているからだ。
もし、企画自体に興味がおありの方は、早めに本書を購入した方がいい。
時間は待ってくれないのだから。
15周年、節目の「Η」。
従来のファンも、実話怪談を読みたいあなたにもお勧めできる1冊だ。