最高のクリアを目指そう!
★★★★☆
『ぷよぷよ』など、数々のゲーム監督・脚本・企画を手がけた著者による、プロジェクト攻略本。
・プロジェクト = 冒険
・あなた = 勇者
・えらい人 = 王様
・チーム = パーティ
・プロジェクト計画= 地図
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プロジェクトを冒険と置き換え、攻略のテクニックや、うまい進め方、心構えまで、具体的な事例とわかりやすい図を挙げながら解説してくれます。
要件管理にしても、「冒険の地図を書く」といわれるとわくわくしてくるし、問題に対するときも、「クリア」を意識すると、モチベーションが上がってくる。「アイテム」の使い方も工夫してみる。
「攻略」と考えると、カイゼンも楽しくなる。
こうした、言葉の効果だけに留まらず、実際のアイデア出しの方法や、会議の進め方なんかは、わかりやすくて、非常に実践的。
・会議は「おみやげ」持参で。
・ホットミーティング
・「話題キー」の活用
すぐに使えそうなプラクティスも満載。
ゲーム開発には、高い技術力はもちろん、バランスのとれた構成力や、革新的発想、センスなんかも問われる。アイデアは常に必要だし、開発メンバーの力を引き出さないと良いものは生まれない。ゲーム開発におけるプロジェクトリーダーは、プロジェクトを成功させつつ、楽しく仕事を進められるように推進することが必然的に求められる。
「プロジェクトファシリテーション」にも通じるが、システム開発においてもこの考え方は重要になってきており、ゲーム開発プロジェクトから学ぶことは多い。読んでると、このことが強く感じられた。
学びのポイントは、いろんなところに潜んでそうです。
プロジェクトの楽しさが倍増するヒントを満載
★★★★☆
著者の米光さんは、一世を風靡したアクションパズルゲーム「ぷよぷよ」を世に送り出した人で、ゲームの企画監督脚本を本職にしています。
米光さんは次のような前提で本書をスタートします。
プロジェクトを成功させるための肝は、人をうまく
コントロールする術でもなく、話術でもなく、管理能
力でもない。
肝心なのは、「プロジェクトに参加しているみんなが
楽しく作業できる場をいかに作り出すか」である。
おもしろいゲームを遊んでいる時のように、みんながいきいきとプロジェクトに参加できることが大切だとおっしゃるのです。
読みすすんでみると、この本は徹底的にプロジェクトをロールプレイングゲームに喩えていることが分かりました。プロジェクトは「冒険」、ビッグプロジェクトは「大冒険」、プロジェクトマネージャのあなたは「勇者」と呼ばれます。つづいて会社の上司を示して「王様」に「うえのひと」とふりがなをふったあたりから、本書は佳境に入っていきました。
「王国」のルビは「かいしゃ」、仲間のルビは「メンバー」。
さあ、いよいよ、めくるめく冒険のスタートです。
一部、どう見てもゲーム開発にしか使えない箇所も出てきますが、「出たい人だけミーティング!」とか、「仲間から人望を得る」「リーダーの鉄則」など、125ページという薄い本の中にふか〜い内容が込められています。
いちばん共感したのは、本書のタイトル「攻略本」についての米光さんの考えでした。
攻略本の通りにゲームをするなんて、とてもつまらないこと。だからこの本は、プロジェクトが簡単に進む方法を書くのではなく、プロジェクトの楽しさが倍増するヒントを満載した。とのこと。
プロジェクトに携わっている人は、自分のプロジェクトを思い浮かべながら読むことをお勧めします。
人と協力して何かをするときに必ず役に立つ
★★★★★
「ぷよぷよ」「バロック」「トレジャーハンターG」などのゲームディレクターが書いたチームビルディングのための本。
すらすらと読めて、基本が、しっかりと実感できる良書である。
「ぷよぷよ」を作ったときの実例などが登場して、実感できる。
でも、ゲームに詳しくなくても大丈夫。チームつくりの本だから。
「いきなり目標を明確にしろ」と無茶を言う類書と違う。
目標明確のため具体的にどのようなことをすべきかをしっかり書いているところが偉い。
会議方法も、「アイデアと人を切り離せ」というコツからはじまる。
そしてブレインストーミングをうわまわる具体的な会議攻略がすぐにできるように解説してあって便利。(この方法は、ほんとすごいので実践あれ)。
何も仕事だけではなく、人と協力して何かをするときには必ず役に立つ。
すごい
★★★★★
まったく新しいタイプの仕事術の本で目から鱗が落ちました。「あーそうだったんだ」と思わず声に出したところが何ヶ所もありました。
みんなでアイデアを出す方法、イエスアンド、上司とのうまい付き合い方、
会議のおみやげ法、オバQ精神、生きている問題、提案の受け方、など、
新しい考え方にたくさん出会えて、
これから、それらをどう上手く使っていけるかワクワクしています。
5人で同人ゲーム製作しているのですが、そこでも使えるテクニックだと思いました。
ほかのスタッフにも読んでもらっています。