甘〜い年の差カップル
★★★★★
いや〜甘かったです。とっても満足。
攻めの士朗はワイルドで包容力のある大人の男で、それまで散々もててきたでしょうに、
迅人を抱いてしまったあとはころっと迅人への愛にはまり込みます。
ここでこうやって!こういうセリフを言って欲しい!というオトメ心を尽く叶えてくれ、
挙句の果てには、かつての敵対組織の長である迅人の父のところへ単身乗り込み、息子さんを下さい宣言までしてくださった際には
私までぽ〜っとなってしまいそうでした。
一方受けの迅人は極道の後継ぎのはずなんですが、なんとも素直でピュア。
自分を拉致監禁して傷つけようとした士朗を理解して許し、ひたすら一途に士朗を愛します。
こんなに健気に慕われたらそりゃあ士朗もハマるよな〜。もふもふも可愛い!
ところで、極道・敵対組織とくれば、耐え忍ぶ切ない別れやすれ違いが大概ありヤキモキさせられるもの(と私は思う)なのですが、
この二人はあまりにも深く愛し合っているので、そんな無駄な(?)我慢はしません。
これも甘いもの好きな私には心を痛めずに済んでとても良かったです。
せっかく受かった大学はどうすんだ??とか多少突っ込みどころはありますが、
父もこっそり認めているようなので、きっと実家の御三家が今後もなにかと手を差し伸べてくれることでしょう。
次は美貌のお父さんの話も読んでみたいです!!
あ、でも、お父さんまでカプったら稀少種族が絶滅してしまう・・・
イマイチ突破出来ないワンパターン。
★★☆☆☆
前巻「発情」がもの凄いツボだったのですが、
「多分弟と父親のスピンオフは期待出来ないな…キャラ的に」
という予感が見事当たってしまいました。
まず前作からブランク開き過ぎ!!「発情」発売から丸3年!?
その間に文明も断然発達しています。
今回主役の迅人は高校生設定ですが、携帯アプリもブログもmixiも全く
現代の「高校生」グッズに触れていない。読んでいて正直とても古臭い。
それから一番弱かったのが、迅人も賀門も最初から善人で、
「発情」の主役二人の格段の成長ぶりと比較すると、ほとんど
精神的飛躍がみられず、しかも「人狼と人間が愛し合い最後は駆け落ち」
なんて…前作で既にやっちゃったラスト。せっかく設定が人狼なのに
ほとんど活かされてない。ヤクザとしても人狼としても中途半端。
ここ数年BLは、ありとあらゆるパターンをやり尽くし、その中で
「傑作」と評価されるのはやはり「常識をくつがえす」ものだと思います。
特に人狼設定だと、沙野風結子さんが「獣の妻乞い」で究極のビーストラブ
を表現しきってしまっただけに、今回の作品は立ち読みで充分です。
本来ならば最大にモラルを超越すべきジャンルなのに、最近凝り固まった
BLばかり。もっともっと突き抜けた発想をして、読者を驚かせて欲しいです。
イラストが如月さんから北上さんに交代しましたが、こちらは美麗ですね。
岩本さんは「エビリティ」のように、もっとアクと個性の強いキャラを
動かすべきだと思います。久家みたいな暴れん坊、待ってます!!