『World Standard 09』が完成しました。 僭越ながらシリーズでここまで長く続いているMix CDはDJ Emmaさん『Emma House』以外知りません。一方でライフ・ワークとしている「夜ジャズ」というコンピレーションCDがありますが。自分のDJ生活をジャストに反映させているのが本CDである『World Standard』ということになります。「世界水準」を謳いながらも実は極めてパーソナルであるという矛盾は偶然であり、自身の考えるDJ感が「世界水準」である、といったような大風呂敷を広げたつもりは全くありません。 　さて今回の『09』についてです。シリーズ同様DJ生活を反映させていることについては全くブレていません。76min.のDJプレイをそのままパッケージにしたものです。私のMix CDの特徴のひとつである音のコラージュやナレーションで構成するインタールード。途中に挿入することで選曲を新鮮に聴こえさせる効果を狙ったり、飽きさせない為の工夫だったりしますが、既にそういったインタールードという手法は裾野に広がりありとあらゆるMix CDで使われています。今回はそこを封印しました。あえてMixすら放棄した箇所もあります。ロフトの創始者デヴィッド・マンキューゾを気取るわけではございませんが、曲が持つ魅力を最大限に引き出す為の空間作り「間」を重要視しました。重ねて僭越で恐縮ですが、アミューズメントパークのような楽しさよりも美術館の展示物に浸る愉楽をイメージして頂けると幸いです。by 須永辰緒