タイトルからすると、観光地としての古城を訪ねる旅のような気がしたが、
実際は、古城ホテルをめぐる旅だ。それも、フランス中心。
シャトーホテルの数々をカラー写真と文章で紹介してある。
写真は城だけでなく食事の写真も多くて、高級レストランのメニューのようだ。
チョコの板に楽譜が書いてあったりして、凝った料理を目で楽しめる。
宮殿ふうのものや、砦のようなもの、メルヘンのお城みたいなものなど
まず外観もさまざま。
内装はもちろんかなり凝っていて、天蓋つきベッドが多くみられるほか、
家具類やカーテンの布地は細かい模様もついたきれいなもので、部屋には
像があったりして、王様気分が味わえそうだ。
文章は城の紹介と食事が中心。ワインと、高そうな料理が並ぶ。結局この本の
中心をなすのはグルメネタで、著者は相当おいしい旅を楽しんだようだ。
あまりにも高級な料理をお楽しみである様子なため、ちょっと引いたけれども、
宿泊自体は見かけほど高くない値段でできるようだ。（ちなみにユーロ導入前の
本なので、価格はフラン、マルクなど古いもので記載）
古城ホテルにあこがれる向きにはおすすめの本。「こんなとこに泊まってみたいもんだなあ」
と、リラックスして読んでいただきたい。

ヨーロッパの古城と聞いただけでも夢のような空間を思い描くのに、
そこへ泊まることができるなんて！
しかも一流のサービスつき。

それぞれのホテルに時代ごとの美術的な特徴があり、
私がとくに気に入ったのはローラ・アシュレイのお部屋。
ページをめくるだけで溜息が出ちゃう。
実際に旅行でこんなホテルに泊まれたら装飾の隅々まで見ちゃいそう。
建築に興味がある人も必見です！