ノスフェラトウの生贄 下 クリス・ブロンソンの黙示録4 ノスフェラトウの生贄 クリス・ブロンソンの黙示録4 (竹書房文庫)
価格: ¥0
内容紹介
“吸血鬼の日記”に秘められた謎──
秘密の書に隠されたメッセージ、
それは、時代に翻弄された
一人の女性の悲しくも凄惨な物語……
刑事クリス・ブロンソンと元妻で考古学者のアンジェラが遭遇する歴史の闇。
英国で大人気のベストセラー・シリーズ!
◎Amazonカスタマーレビューでも絶賛の声続々!
「プロローグから最後の最後まで面白い、大満足まちがいなしの真のページターナー」
「考古学の知的興奮と迫力のストーリーが完璧に融合した真に面白い傑作ノベル!」
「手に汗握るサスペンス! 刺激的スリラーを探している人なら必読の一冊!!」
〈あらすじ〉ヴェネツィアで休暇中の刑事クリス・ブロンソンと元妻アンジェラは、いにしえの遺体が葬られた墓が暴かれた現場に行き当たり、警察がらみの騒動に巻き込まれる。そして、偶然にも一冊の古びた日記帳を手に入れる。数百年前にラテン語で書かれた日記には吸血鬼にまつわる謎めいたメッセージが書かれていた。もしかしたら吸血鬼本人が書いた日記だろうか? その後、ふたりの周囲に怪しい男たちの影が見え隠れするようになる。一方、ヴェネツィアでは若い女性の失踪が相次いで連続殺人事件が疑われていたが、警察の捜査は難航していた。そのさなか、アンジェラが謎の集団に誘拐される事件が発生。当てにならない警察の捜査活動に業を煮やしたブロンソンは、アンジェラを救出しようとひとり敢然と事件の解明に乗り出す。
◆なぜヴェネツィアなのか?
ヴェネツィアは美しく、ロマンあふれるミステリアスな都市として、人々を魅了する色彩豊かな歴史を有している。吸血鬼たちも、フィクションと現実の両面で、この都市の歴史を彩っている。様々な映画やドラマで舞台となっているが、現実的な吸血鬼の事例も伝えられている。二〇〇九年三月に、伝染病の犠牲者を葬ったヴェネツィアの集団墓所〈ペスト穴〉で、一六世紀に吸血鬼とされた女性の頭蓋骨が発見された。その顎の間には煉瓦が押し込まれていたが、それはいっしょに埋葬されている他の犠牲者を噛まないようにするためだったという。このように、ヴェネツィアはこの小説の舞台として理想的なロケーションと言える。ヴェネツィアの潟湖には百を超える島々が散らばっており、多数の住民が住んでいて活気あふれる島もあれば、小さすぎて生活に適さない島もあり、また廃墟と化した家屋が残された寂れた島もあって、塩水に囲まれた湿地で生活の場を築くことの困難をしのばせる。ヴェネツィアという場所は、晴れた日でも気味の悪いところがある。アドリア海から霧が立ち込めてくると、小柄な人でも狭い街路や運河上に巨大な影を投げかけることができる。潟湖に出かけてみれば、島々はそれ自体がこの世から隔絶した世界となっていて、私の想像の中ではなにが起こっても不思議ではなく、またこの小説の中ではなにかが起こったのだ。
著者プロフィール
ジェームズ・ベッカー James Becker
イギリス海軍艦隊航空隊に20年以上所属し、フォークランド紛争をはじめ、イエメン、北アイルランド、ロシアなど世界のさまざまな国・地域で主に秘密作戦に従事する。退役後、作家活動を開始し、他にもジェームズ・バリントン、マックス・アダムズ、ジャック・スティールなどのペンネームで次々と小説を刊行。長い軍隊経験に裏打ちされたリアリティと迫力に満ちたアクション・シーン、そして主にキリスト教の秘密にまつわる古代・中世史への該博な知識に基づいたミステリーに定評がある。初のジェームズ・ベッカー名義著作である「刑事クリス・ブロンソン」シリーズは、『皇帝ネロの密使』『預言者モーゼの秘宝』『聖なるメシアの遺産』に続き本作が4作目で、他に『Echo of the Reich』『The Lost Testament』『The Templar Heresy』と、現在までに7作品が刊行され、好評を博している。
訳者プロフィール
森野そら Sora Morino
東京都出身。東京外国語大学卒業。訳書に『シャナラの剣』(共訳)『シャナラの妖精石』『復讐の女海賊』(以上、扶桑社)『13番目の石板』(竹書房)他、別名義(松藤留美子)でノンフィクションの翻訳も多数手がけている。