北九州戦乱記・・・?
★☆☆☆☆
無敵不敗の戦国武将として名高い立花道雪.幼少時期に落雷を受け脚が不自由になりながらも,輿に乗り軍配を振りかざし,その生涯に負け戦は無く,甲斐の武田信玄も敬意を表していたと言われる,まさに伝説の人物.
本書はそのタイトルとは異なり,彼の人生を描いていない.立花道雪は,あくまで大友宗麟の重臣三家老の一人として描かれている.
九州にまで領土を広げようとする毛利氏,領土を近接し向背ままならぬ秋月氏,急速に興った龍造寺氏.こういった諸大名と大友氏の争いは実に詳細に書かれている.
本書のタイトルが「北九州戦国記〜大友宗麟から見た戦国時代〜」であれば,星の数がこれほど少ないことはなかっただろう.立花道雪を知りたい読者にとっては,欲求不満がたまる作品と言わざるを得ない.