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大阪名所むかし案内―絵とき「摂津名所図会」

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 創元社
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江戸時代の大坂へタイムトリップ ★★★★★
 江戸時代に大ヒットした名所案内「摂津名所図会」から36景の絵図を抜粋し、絵とき解説した本です。私は大阪市内へ通勤し、仕事場所としているサラリーマンですが、江戸時代が起源と思われる町名や時として出くわす寺社や史跡にもっと詳しいことがわかればいいのにな、と思うことがあります。

 書店で偶然本書を見つけ試しに買ってみました。ページを繰っていくと、絵図から当時の大坂の人々の生活が生き生きと伝わってきます。「ああなるほどそういうことだったのか」と個人的に腑に落ちることもありました。本書を読んでからはとり上げられた場所を通った時など、「かつてこの場所では・・・」と遠い江戸時代に思いをはせたりすることもあります。案外、昔の絵図と雰囲気が変わってない場所があったりします。

 絵図のリアリティーと著者の詳しく丁寧な解説がうまくかみ合って、歴史・地理好きな方にとっては楽しい読み物に仕上げられていると思います。

 本書を読んで実際にその場所に出かけてみるのもおすすめです。今まで気付かなかった、見過してきた大阪に出会えるかも知れません。
江戸時代の大坂を知る上で必要な書 ★★★★★
江戸時代の大坂の姿を知ろうとしても活字では理解が難しいですし、カメラのない時代ですから映像もありません。
その意味でも、江戸時代にベストセラーとなったガイドブック『摂津名所図会』に掲載された絵図と文は貴重な史料で、当時を知る上で第1級の情報と言えるでしょう。そんな大阪の名所や名場面から本渡章氏が36景を選び、名所絵を読み解く方法で説明しています。

基本的に見開き2ページで絵図を紹介し、補足の関連した絵を使用して説明をしていきます。本渡章氏は作家ですが、多くの参考文献を利用されたにせよ、大坂の歴史についても過不足なく丁寧な記述でよく分かりました。
現代の姿を知る者にとって、上方の世が目の前に映ろう様は一興でもありました。

道頓堀の賑わいは今以上かもしれませんし、今やオフィス街となった大川沿いの八軒家は三十石船当時の風情が伝わってきます。天神祭の船渡御の大船団は現在以上の壮観さでした。高津神社の境内は現在の姿に近く、有名な落語「高津の富」で現在でも知られています。

内容は、大坂へ来たりし験(道頓堀のからくり芝居「オランダ人を仰天させた人気芝居」、浮瀬の奇杯「浪花の名物料亭が京、江戸にもあった」ほか)、四季の賑わい(今宮の十日戎「海の神はなぜ商売の神様になったか」、住吉の浜「潮干の浜は堺へつづく歩行者天国」ほか)、名所の絵物語(高津宮の仁徳天皇「なぜ、古代の都が名所図会の巻頭に」、江口の遊女「西行と遊女の出会いに謎の琵琶」ほか)、津の国山河(八軒家から熊野「八軒家は聖地への玄関口だった」、安治川橋と海船「安治川橋はなぜアーチを描くのか」ほか)です。
見応えと読み応えを兼ね備えた一冊 ★★★★★
大坂の名所を、名所絵と文章で紹介した大阪本。
全三十六景の名所が紹介されています。
一つの名所が見開き2ページで紹介されているため、名所絵の魅力がよくわかるようになっています。そして、その絵の謎をとくように、歴史・地理・風俗・伝承・文学にからんだ詳細な解説かなされており、絵の魅力をより深く知ることができます。
眺めていて思うのは、絵の描写の濃さです。
人物や物、景色、生活模様一つ一つが細部までたんねんにいきいきと描かれているため、いまにも風景が動き出しそうなのです。
絵だけを眺めていても楽しい、さらに絵の謎をといて楽しい、まさに見応えと読み応えを兼ね備えた一冊でしょう。