人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality) (下): 共感社会と家族の過去、現在、未来 (アイカードブック)
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スマホから閲覧・読書:
専用端末がなくても大丈夫。あらかじめアプリをダウンロードすることで、スマホ、タブレット、PCから読むことができます。
★アイカードブック(iCardbook)とは:スマホ最適化されたカード型専門書ebook
・百篇程度の「知識カード」が編成されたebook。
・[カードタイトル(カード番号)+百五十字前後の本文+参考文献(書籍、論文、Web記事他)+註]で構成された「知識カード」が、知のネットワークを可視化します。
・スマホなどのモバイル端末から、隙間時間に専門書の「設計図」を閲覧できる。
・アイカードブック(iCardbook)はアクティブ・ラーナーのサポート・キットです。
★『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)』とは:
ヒト科の中で唯一生き残った種、私たちホモサピエンス。生き残りの秘密は「社会的知性」にあった。この人類の進化の冒険を俯瞰し人類の未来社会への示唆を探る、「ゴリラの国の留学生」、山極寿一(第二十六代京都大学総長)からのメッセージ。本郷峻(京都大学霊長類研究所 研究員)との共著。
MOOCのひとつEDXの講座、「Evolution of the Human Sociality」の副読本。
混迷の21世紀を生きる私たちに、望ましいこれからの社会像とは、そして家族像とは、を考えさせる、「社会的知性」の起源と進化を明らかにする書。
家族の変容、教育現場の混乱、子供の貧困、格差、テロ・紛争、環境変化への適応など21世紀が抱えるヒト社会の課題に、ゴリラ、サル、チンパンジーが教えてくれるヒント・ティップス集でもある。
上下巻に分かれ、上巻は「サバンナへの進出」「出アフリカ」など、祖型人類から始まる「進化の冒険」が語られる。霊長類学、社会人類学、文化人類学、先史考古学、民族学などの学習者・研究者の参考図書。
下巻は「society5.0」を目前にした現代にあって、「社会」を学び、「社会」を対象にした仕事を担う人のための参考図書。文明史論、ジェンダー論、家族学、栄養学、コミュニケーション学、言語学、認知心理学、脳神経学、宗教学、平和構築学、政治学、法社会学、都市経済学、経済人類学、など多岐にわたる知見がちりばめられ、知的興奮を堪能できる。
(上)「社会」の学としての霊長類学
(下)共感社会と家族の過去、現在、未来
■下巻のメッセージ
「家族というのはこれまで人間がつくりあげた最高の社会組織だということを忘れてはいけない。(中略)そこには食の共同と性の隠ぺいという類人猿にはなかった規範が隠されている。繁殖における平等と共同の子育てこそが人間の心に平穏をもたらす源泉であった。現代の社会もその原則を失ってはならない。それが音を立てて崩れ落ちたとき、私たちはもはや人間ではなくなっているだろう。」(『家族進化論』p.347)
■目次明細(下巻)
第五章 暴力と社会:人類は狩猟者として進化した?/攻撃性と社会的知性/対面コミュニケーションの意味/霊長類の子殺し/ゴリラの子殺し行動と社会の多様性
第六章 生活史戦略の進化:霊長類の生活史と分散パターン/ヒトと類人猿の生活史/サバンナへの進出から家族の形成へ/大脳化と人類の行動進化
第七章 心の理論とコミュニケーション革命:サルのコミュニケーション/仲間を思いやる能力/心の理論と利他行動/共同保育と共感能力/音楽的能力の進化/音楽から言語へ
第八章 家族の変容とヒト社会の未来:人間家族と創造的爆発/採集狩猟から農耕牧畜へ/社会の拡大と暴力の起源/現代社会とコミュニケーションの変容/家族の未来と超スマート社会
■「はじめに」より
「現代の社会に生きる私たちは、新たに人間を定義する必要性に迫られている。」
「人間の社会性は他者の存在なしには考えられない。それは個人という存在が他者によって作られるからである。遺伝的プログラムが環境と出会って種特異的な行動を発現させるわけではない。それぞれの個人が、他者が作る社会という環境の中に絡み取られ、それを内在化していく過程で、社会的存在としての自分が形成される。その作用としてさまざまな社会行動が起こる。その一風変わった社会の在り方がどういった進化の中で作られてきたのか。それを探るには、人間以外の霊長類の社会から、現代の人間社会から、という二つの投射の視点が必要である。」(山極 寿一)