社労士のドラマですね。非常におもしろかったです。パート２も出してほしいです。

社会保険労務士の試験に合格した主人公が、実際に社会保険労務士事務所に勤務し、
過労死・リストラ・社内トラブルなどに遭遇し解決していくストーリーですが、
正直、社会的な話題となった「年金記録問題」に便乗して出版したかのようで、
ひとつの小説として見ると平凡すぎるし、社会保険労務士の実務的な話として見ても、
全体的に悪い意味で漫画チックでためになるような部分が見当たりません。
花も実も無いというのが率直な感想です。

「社労士」という資格の存在を知り、興味を持った時にたまたま目についたこの本。
これがすごく面白い。生き生きとしたキャラクターにテンポの良いストーリー展開。思わずクスリと笑ってしまうオチまで。
この本を読み終えてすぐに社労士の勉強を始めましたが、そうなるとますます面白さがわかってきます。社労士試験の勉強は長く時に辛いものですが、この本を読むたびにやる気がわいてきます。よく試験勉強で言われる「合格後の自分の姿をイメージする」のにこの本はかなり有益だと思います。
もちろん社労士になる気がない人でも、一つの物語として充分楽しめると思います。ほんと、ドラマ化とかしないですかねぇ……。まだまだネタもたくさんあるでしょうから、続編だって書けそうな気もするんですが。

とても読みやすく、これから社労士を目指す人には適切な一冊。
社労士資格取得者でも楽しめました。


最近話題の年金が随所に盛り込まれていて良かったのですが、希望をいえば
もう少し雇用保険関係や解雇事案を取り上げて欲しかったです。
ハローワーク勤務の私としてはちょっと寂しい気持ちです。

あともうひとつ希望をいえば、綺麗にハッピーエンドばかりではなくて、
泥臭い骨のあるエピソードをお願いしたい。
現実では、本書の登場人物をはるかに上回るアクの強い社長・社労士・役人がわんさか居ます。

是非とも続編では修羅場を擬似体験出来るようなエピソードをお願いします。

社労士とはどういう仕事をしているのかが、楽しみながら読めます。
しかも、使えそうなテクニックも盛り込まれています。