2巻とも傑作だ。
★★★★★
古いのに新しい感じがする作品が多いのがなんとも心地よい。40代以上の水木ファンにとっては、傑作中の傑作だろうと思う。
ディープな水木ファンなら、もちろん買いですっ!
★★★★☆
もしかして何度目かの水木しげるブームが到来しているんだろうか。まさか、昭和30年代の水木さんの貸本時代の恐怖マンガまで発掘されて文庫本で手に入る時代がやって来ようとはね。
全10篇。読みでがある。当時は、まだアシスタントもいなくて作者はひとりでしこしこ書いていたらしい。背景の暗がりの描線なんて、もう水木しげるそのもの。マニアにとってはたまらないはず。東真一郎名義で掲載された「髪 KAMY」なんていう珍品も収録されている。
正直なところ、私にはあんまり恐怖は感じられなかった。むしろあのブラックな諧謔のセンスに痺れてしまう。顎の長い「三島ユキ夫氏」とか、加藤唐九郎の「永仁の壺」とか、なつかしい時事ネタが細部にちりばめられていて、目のつけどころは風変わりだ。なんとも人を喰った会話におもわずニヤリ。
年季のはいった水木しげるファンには、まさにお宝としか言いようのない初期作品集ですが、それほどでもない普通の読者にとってはどうなんだろう。読むひとをかなり選ぶ作柄であるような気がする。京極夏彦の愛情のこもった解説は好感がもてた。
暗闇の中で物の怪がダンス
★★★★★
昭和30年代の貸本作品の短編10作が収録されている。どういうわけかいろんな単行本でちょくちょく収録される気のする「草」がまた収録されているが、編集側に人気作なんだろうか。謎だ。
たぶん単行本初収録作だと思う作品が3作ある。「半幽霊」「安い家」「怪忍」である。水木作品はモチーフが重複するので自信がないが、水木作品を愛好して30年の私は、多分初めて読んだと思う。
貸し本時代の名作が読める!
★★★★★
待ってました。迷わず買いました。単行本で結構高額で発売されていた貸本時代の名作10話(「墓をほる男」、「髪」、「永仁の壺」、「手袋の怪」、「鉛」、「陸ピラニア」、「半幽霊」、「安い家」、「怪忍」、「草」)を収録。うち6話は既に読んだ事がありますが、その中でも「墓をほる男」や「鉛」は不気味で何度読んでも引き込まれてしまいます。ドラマ化を期待したいくらいです。「髪」、「手袋の怪」のモチーフは鬼太郎シリーズに応用されていると思います。同時発売の「不死鳥を飼う男」とともに買い逃すと後悔すること間違いありません。