国連担当特派員による安保理分析
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著者は安保理はどのようなメカニズムで動き、何を決定しているのかという問題意識で鋭い分析を行い、日本は安保理とどうかかわり、何を目指していくべきなのかという提言を、4年間に及ぶ読売新聞特派員としての取材経験にもとずいて述べている。
その提言の中でも、重要なものは、準常任理事国という、安保理改革に積極的な国連加盟国グループが提案している可能性を模索してほしいというものである。
国連特派員のみが取材可能な、大使達による安保理の舞台裏の様々な駆け引きの様子が実に生き生きと描かれている。白川氏とはニューヨークの国連本部で何度かお話させて頂いたこともあるが、もし続編を考えていらっしゃるならば、準常任理事国案に関してのより詳しい解説、ならびに安保理常任理事国の核兵器保持の問題について分析して頂きたい。