TV番組を持つシェフ役のジャッキー・チェンが、心ならずもギャングの抗争に巻き込まれる。争うギャングたちはステレオタイプなイタリア人たちと『時計じかけのオレンジ』から飛び出したような若者たちだ。キャストのほとんどが無気力で、筋はとことんくだらない。この映画を見る価値は、メルボルンの街で、なくなったコカインを取り戻そうとするオーストラリア人のチンピラたちに追われながら見せる、チェンの重力を感じさせないスタントにある。とても革新的なアクションを見せるチェンが、もっと知的な作品に出演しないのは残念なことだ。それでも、チェンの念入りに構成された武術アクションはいつもどおり最高で、彼のファンなら、この取るに足らないアドベンチャーを楽しめるだろう。馬車を使ったアクションに期待してほしい。このシーンだけで冴えないストーリーを埋め合わせてしまいそうな勢いだ。（Rochelle O'Gorman, Amazon.com）