これから設計をやっていく人へのサバイバル本
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他の業界がそうであるように、建築の世界も1つのことに長けていればよい時代は終わりを告げ、2つ、3つの多岐に渡る分野に手を広げていないと生き残れないことをこの本は示唆している。
建築の設計は、今までは空間のつくり方や素材の選び方で、他の設計者との違いを施主候補の人にアピールすることが容易にできた。しかし、情報が溢れる現在ではその違いもほとんどなく、「この人にしよう」という決定打にはなりえない。そんな設計者に救いの手を差し伸べている。
確かに、設計者は土地の相談を施主候補の人から受けることはあるし、土地に対するアドバイスができたら設計契約につながることもわかっている。でも、紹介責任とか知らない世界だから、と尻込みして終わってしまっているのがほとんどではないだろうか。
取り付きにくく堅いイメージの土地を、マンガやイラストを豊富に盛り込むことで読みやすくしているこの本は、他では見ないものだから買っておいて損はないといえる。