Boomslang
価格: ¥9,897
自らを癒す時が来た。ジョニー・マーはスミスの時からずっとリーダーの有能な片腕としてプレイしてきた。しかしついに自らがフロントに立ってアルバム・デビューする時がやってきた。果たしてジョニー・マー&ヒーラーズは、マーがこれまで在籍したスミスやザ・ザ、エレクトロニックを超えることができるのか。その答えとなる本作は幻想的かつ重厚、崇高なほどメロディアスなポップ・アルバムだ。彼らの方向性はモリッシーのようにけだるい独我論やマット・ジョンソンの実存主義的恐怖でもなく、バーナード・サムナーの不可解なエレクトロ・ポップとも違う。くせになりそうなロックナンバー「The Last Ride」から内省的な牧歌「Something to Shout About」まで、ジョニー・マーはロック界随一の表現力豊かなギター同様、素朴で甘い歌声を披露している。すでに3年間一緒に活動してきただけあって、ジョニー・マーとザック・スターキー、アロンザ・ビーヴァンの3人は力みのないタイトなロックを聴かせてくれる。特に7分にも及ぶ「You Are The Magic」は秀逸だ。マンチェスターを代表する両雄であったスミスとニュー・オーダー。エレクトロニック時代の相棒バーナード・サムナーは、ジョイ・ディビジョンのギタリストからニュー・オーダーのボーカルにすばやく転身したが、ジョニー・マーはスミスの結成から20年、紆余曲折を経てようやく自らイニシアチブを取る立場になった。それが彼にとって自然で納得のいく方法だったのだ。(Bill Forman, Amazon.com)