イノベーションのための技術と方法の体系の教科書、『TRIZ　実践と効用』シリーズの第２巻の新版(2A)です。 「矛盾マトリックス」は、問題を（技術的）「矛盾」として捉え、発明原理をヒントとして使う、TRIZの重要な方法です。 システムの諸側面（パラメータ）を標準化して分類し、問題を「ある側面を改良しようとすると、別の側面が悪化して、うまくいかない」という矛盾の形式で捉えます。 この各問題パターンで、今までの発明者たちが使って成功したアイデアを整理して、４０の発明原理で示そう、というのです。 TRIZの創始者アルトシュラーが構想し、紙と鉛筆で1971年に完成させた古典的矛盾マトリックスは、39のパラメータを使い、各マス目に最もよく使われた発明原理4個を示しました。 Mannらは、1985年以降の米国特許全件をサーベイして、2003年版、そして最新の2010年版の矛盾マトリックスを作り上げました。 パラメータを50に拡張し、各マス目に9個程度までの発明原理を示し、ずっと使いやすくしました。 科学技術が進歩し、新しい分野・問題領域・解決法ができたため、矛盾マトリックスの中身も発展しているのです。