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捏造された日本史―日中100年抗争の謎と真実

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本文芸社
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   同じ日本の植民地だったのに、韓国は「反日」で台湾は「親日」だと、一般に言われている。なぜ正反対の対日感情ができあがったのか、不思議に思っていたが、本書を読んで、はじめて腑(ふ)に落ちた。

   韓国人は「日帝支配の36年」を「侵略」「奴隷化」「収奪」と糾弾することで、民族の一体性を保っている。これに対して、台湾人は、収奪よりも社会・経済基盤の整備に力を入れた日本の統治と、「中央が地方をひたすら収奪する」中国の伝統的統治方式を比較することで、歴史の善悪を判別してきた。いったい、日本と中国のどちらが侵略的植民地主義者であったか、台湾は両者が実際に行ったことで判断している。この違いが「反日」と「親日」となって現れたということか。

   著者が冒頭で「狂奔する独善的な民族主義、愛国主義史観に異議申す」と言っているように、本書は中国の歴史認識にはかなり厳しい。清朝時代の収奪統治、蒋介石軍の台湾人虐殺(2・28事件)、東南アジアで「白人の代理支配」を務めてきた華僑のあざとさ、そんな中国人に対する恨みと憎しみが、心底に鬱積しているかにみえる。

   しかし、著者の歴史認識はイデオロギーにまみれてはいない。戦後中国のナショナリズムと日本の進歩的知識人によって、「焚書坑儒」された日本人の業績を復元したいという強い思いが、全編に感じられるのだ。

   台湾に「日月潭ダム」や「高雄自由港」を残した第7代総督の明石元二郎、道路と鉄道を開いた行政長官の後藤新平、当時東洋一といわれた巨大ダム「烏山頭(オスアタウ)」を建設して15万ヘクタールの美田を潤した八田午一、その他この地に命を捧げた無名の士。台湾の人々は今でも彼らをしのび、ときには神と祀(まつ)って祭礼を催しているという。ところが、日本の進歩的知識人は「侵略戦争」を裁く「正義の審判者」気取りで、傲慢にも先人の名前を歴史から抹殺してきた。

   著者は1938年生まれの台湾人。敗戦で追われていった日本人と新しくやってきた中国人の違いを、子ども心にも直感した世代である。日本と中国の支配の両方を体で記憶する生っ粋の台湾人だから、かくも大胆に歴史を語れるのかもしれない。(伊藤延司)

良かったです ★★★★★
古本ですが程度は良かったです。内容も良かったです。