本書は、世界有数のヘッドハンティング会社、ラッセル・レイノルズ・アソシエイツを経て、縄文アソシエイツを設立、代表取締役を務める著者が、ヘッドハンターとしての経験をベースに、ビジネスマンが「自分の値段を意識し、自分の価値を高める方法」についてまとめている。これまで同じテーマで多くの本が書かれてきたが、本書はヘッドハンターが「どんなビジネスマンをスカウトしたいと思うか」という視点で書かれている点が特徴的であり、具体性がある。
「今、経営者がほしがるのはゼロからスタートできる人」という一文がある。前例や前職でのやり方にとらわれず、新しい挑戦をしていける人という意味合いで、さまざまなところで言われていることだ。著者は、本書の中で「朝30分早く出社し、就業後の30分も遅くまで残る。ただぼーっとしているのではなく、自ら仕事を見つけてやる」といった、ゼロからスタートするための訓練法にまで言及している。
、グローバル時代の市場価値の考え方、年齢別のキャリアデザイン、幸せな転職をする法則などが、具体的な事例やアクションをふんだんに使って書かれている。ビジネスマンがキャリアについて悩んだとき、行き詰まってしまったときは、本書を読むことで突破口が見えるのではないか。
転職シミュレーションのためのシートにも、多くのページが割かれている。シミュレーションそのものはオーソドックスだが、中身は「ビジネスマンとしての“史的”貸借対照表」など、自分の価値を見直す新しい方法としておもしろい。(入倉由理子)
1回目の転職を40歳で成功させた私にとり、まさに過去の戦略を確認させるとともに、今後の展望にも具体的な指南書となりました。著者自身の転職(キャリアチェンジ)経験と、ヘッドハンターとしてのデータベースに裏付けられた説得力・分かりやすさがあります。
社蓄化した日本人サラリーマンへの熱いメッセージを自分へのものとして受け止められる勇気ある人々へ、強くお勧めします。