こころ温まる作品
★★★★★
傾聴法をやる際の気持ちの持ち方について、実際にイメージを沸かすことができる貴重な本でした。カウンセリングの心構えについて記載されたものは他にも多く見ますが、感覚的に理解できるものは始めてでした。それとともに、読んでいくにしたがって、なんともいえない温かく、いい気持にさせてくれました。次々と先が読みたくなり、あっという間に読み終えてしまいました。是非とも続編を望みます。
深く接しない相手に有効でしょうか
★★☆☆☆
著者は本の中に書かれていますが「良いカウンセラーになりたいと思ってずいぶん努力した」方のようです。
傾聴トレーニングの実践として9つのケースにどう傾聴していけばよいかを示していますので、ゲーム感覚で試してみると面白いかもしれません。
ただ・・・。この本を読む限り、著者がロジャーズの来談者中心療法を「浅く」忠実に実行している感がして、とても怖くなりました。たとえば上述のトレーニングの紹介でも、起こっている原因を『幼少期に親から愛されなかったから悩んでいるに違いありません』などと言いきるあたりは鳥肌が立ちそうなぐらい怖さを感じました。
現実に著者のカウンセリングで悩みを克服していっている人がいるなら安心ですが、この本を読んで共感的理解だけで援助が出来ると信じられては同じカウンセラーとしては黙認していられない状況です。
いくら努力をしても、上手な人のマネをしても「いいカウンセラー」になれる訳ではないと思います。いいカウンセラーかどうかはクライアントが判断することではないでしょうか。
クライアント一人ひとりが置かれた立場や認知が異なることを説明しつつ、著書にある傾聴の仕方がベストな選択であるとは限らないと書かれてあればよかったのに、と思います。
援助者として初心者の方が共感的理解を学問として学ぶには良い本だと思います。
カウンセラーをめざす人にも
★★★★☆
私は現在、キャリアカウンセリングの勉強中の身ですが、ロールプレイングなどを
通してわかった「いかに相手の事を理解しているつもりでも理解していなかったか」
を腑に落ちる形で解説いただいたような感じです。
カウンセリングの基本ともいえる「関係構築」の重要さをあらためて
気づかせてくれると共に、今後は何度も読み返す必要を感じさせる本です。
「キャリア」に限定しない、広義のカウンセリングの内容になりますが、
これからキャリアカウンセリングの資格を取る勉強を始める方に
ぜひ、おすすめです。
相手の心を感じる
★★★★★
傾聴術―ひとりで磨ける“聴く”技術
この本を読んでいるといかに私が相手の心をわからずにいるかがよくわかります。
そして、今まで理解せずに聴き話してきたかがよくわかります。
これほど深く相手の心の内を知ることは、多くのトレーニングをうけないと難しいと思いますが、少しでも相手の心を理解しようとしながら話たいと思いました。
また、いかに自分が純粋で素直に、癒されているかも重要だと思いました。
ますます、自己の成長もしていきたいと思いました。
ありがとうございます。
練習課題が画期的
★★★★★
プロの心理療法家が、傾聴術について初心者にもわかりやすく解説しています。
身近にありがちな例が練習課題としてでていて、自分ならどのように応答するだろう?と考えながら読み進めると、結構やってしまいがちな回答例が網羅的に挙げてあり、ひとつひとつに解説がついているので、プロから個人指導を受けている気分になります。
小手先の技術にとどまらず、人間がこころから自分らしく生き生きと生きていくためにというコンセプトで、心理学理論に根ざした支え合いの本質がやさしい言葉で語られているので、専門家が読んでも読み応えあると思います。