女性だから描ける怖さ。
★★★★★
9編からなる短編集です。
似たようなテイストの作品がなく、
どのお話もそれぞれに違う怖さがありました。
完全に現実を見失ってしまった人のお話から、
日常から危ない世界に一歩踏み入れてしまった人まで、
どれかの主人公にはなる可能性があるかもと思いながら、
怖い物見たさで読みました。
なかでも私は、
「ヤモリ」と「テンガロンハット」を特に面白く読みました。
笑ってしまうような表現と、ぞくっとする怖さが紙一重で、
これからの暑い季節に特に良いのではないでしょうか。
細やかな表現力で、確実にお話の世界に入り込める、
お薦めの一冊です。