パワフルなコーラス隊が各楽器とともにリズムを形成し、肉声と楽器がダイナミックに躍動していくさまは、圧倒的な迫力だ。クラシックを中心にタンゴ、アフロ、サンバなど多様な要素を取り入れ、全編で実験精神がみなぎっているのだが、どの曲も聴きやすくポップに仕上がっているところがすごい。クラシックとポップスの狭間を、“肉声”でつなげた傑作だ。(小山 守)